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明治神宮外苑近くの林で発見された男の死体。黒縁のメガネをかけ、鼻下に細いひげをたくわえた男の人相は、一見重役ふう。白いワイシャツにきちんとネクタイを締めてはいたが、なぜか下半身はパンツ一枚であった。郷原部長刑事をはじめとする四谷署の刑事課の面々は捜査を進めるが、被害者を中心とした男女の人間関係が判明するばかり。容疑者には事欠かないのに、肝腎の決め手に欠けるのだ。郷原部長の迷推理の行方は? ユーモラスな雰囲気のうちに、鮮やかな推理と悲喜交々の人間模様を巧みに描く逸品。シリーズ第二弾。
...続きを読むPosted by ブクログ 2013年04月23日
殺人ミステリーでありながら暗さは感じられない。登場人物はみな怪しげな人物である。しかし読み進んでいってもなかなか犯人像が浮かばない。情景と心理描写は的確であり、ミステリーの中にユーモアもあって楽しく読める。巻末の解説で中辻理夫が次のように書いている。「悲劇の中の喜劇であり、喜劇の中の悲劇である。悲劇...続きを読む
Posted by ブクログ 2009年10月04日
「わたしは犯人を女と限定したわけではありません。悲鳴をあげさせぬためには,猿ぐつわをはめてから,無理に毒薬を飲ませてもいいでしょう」
「なるほど。しかし,猿ぐつわのはまった口に,どうやって毒薬を飲ませるかね」
部長はそこまで言うと,足を速めて鬼頭刑事を離した。鬼頭刑事の考えていることは,少なくとも...続きを読む
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