日本的思考の原型 ──民俗学の視角

日本的思考の原型 ──民俗学の視角

935円 (税込)

4pt

3.3

ふとした時に表れる日本人独特の感覚。自分の湯呑みを他人に使われてしまった時の気まずさなどはその一例といえるだろう。高取によればこの感覚は、自己の範囲を所有するモノや所属する集団にまで広げて認識していた近代以前の名残だという。また祖先としての神、他所から来る神という二種の神観念があるのも、定住だけでなく漂泊もまた少なくなかった前近代の暮らし方に由来するという。本書はそうしたわれわれの感覚や習慣を形作ってきたさまざまな事例を挙げ、近代的な自我と無意識下の前近代が交錯する日本人の精神構造を明らかにする。民俗学の傑作にして恰好の入門書。

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日本的思考の原型 ──民俗学の視角 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    高取正男の本は、初めて(だと思う)。近代以前の日本で、どこにでもあった集落の暮らしは、どのようにして成立していたのだろうか、住民は、どのような一生を送っていたのか、積極的、意図的に思いを馳せて考えてみなければ、頭をよぎることすらない普通の歴史に対する興味を呼び起こす、暖かくて豊かな内容。

    0
    2021年10月04日

    Posted by ブクログ

    20210820?-0905 Twitterで紹介されていたので気になって入手。最初の話が筆者が学生時代にうっかり妹の湯飲みを使って妹にひどく怒られた話だったので、分かるわかるーって感じで入りやすかった。確かに自分以外の湯飲みでお茶を飲む気はしないなあ。
     本書は民俗学入門の傑作、という帯の紹介文の

    0
    2021年09月05日

    Posted by ブクログ

     本書で取り上げられている事例や内容を、直接体験してはないにせよ、まだ自分は実感できる。先ずはそれが
    嬉しい。

     塩の生産と交易の道の様子。馬、牛による荷物輸送と馬の道、牛の道。仕事唄のいきづかいと“民謡"の違い。伝統的な働き方所作とナンバの身のこなし。移住と定着、マレビト論との関係、な

    0
    2021年07月12日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    原型、と書いてあるけれども、記紀万葉の昔(あくまで例え、これらが中世及び明治の政治利用のために使われたことは明らか)をとりわけて紐解いているわけではない。どちらかというと、たしかに近代化以前ではあるが、中世の様子を見出した感(読み違えていたら申し訳ない)がある。
    宮本常一氏から何度か、柳田國男氏のと

    0
    2024年02月14日

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