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巡業サーカスの団長の父と母、天才アザラシ少年の兄、美しいシャム双子の姉、超能力をもつ弟、そして平凡なわたし。やがて来る崩壊の日。これからわが家の話をしよう……伝説の名作、復活。
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Posted by ブクログ
登場人物のほぼ全員がフリークス。人間離れした容姿と尋常ならざる能力を持っているキャラクター達が、人間味が溢れた行動(良くも悪くも)を振る舞い、愛し、苦悩する。 常人には理解し難い愛が確実にそこにある。面白いので、ツラツラと読み進められるが、裏には社会風刺の劇薬を盛り込んでいることに気づくと、この本の...続きを読む見方が変わる。
異形、というと高級感すらあるが、ゲテモノ、見世物芸人、不適応者、エグい、どうしょうもない、といった重層的意味を持たせているはずだ。 (オタク、マニア、といったニュアンスはまだなかったころの小説だ。) 「存在しているだけで稼げる」という素晴らしいアイデアから畸形を作り上げる、という奇矯な家族小説からス...続きを読むタート。 フツウを見下すという価値の顛倒。囲いの中でのマジョリティとマイノリティ。 やがて カリスマへの傾倒が始まる。 躰の歪みだけでなく、家族の兄に対する/フツウのフリークスに対する傾倒という精神の歪み(内面のフリークス)でもある。 ここにおいて話は家族を超えて集団心理を描き出す。 その反面、語り手オリーのうちでは、愛される、から、愛する、へ思考が変容していく。 彼女だけは家族小説を醸成し続けていたのだ。 訪れる悲劇。 時間を経て、移動し続ける生活から、定住生活へ。 最後には娘を思う母、兄を卑小に再現する女から娘を守りたい、という家族小説に、見事着地。 奇想と構成の奇跡的な融合が、この素晴らしい小説を成立させた。
すげーすげーとは聞いてたものの、オイラが知った時にはペヨトル工房は既になく…河出がまずすげーわ。愉楽とかも相当ヤバいと思うけど、よう次から次へとこうどっかから怒られそうなんを出すわ。エラい。 で、中身。フリークス小説の金字塔みたいな話は聞いてたけど嘘やなかったなぁ。愉楽よりだいぶ古いけど古さを感じへ...続きを読むんし過激さでも負けてへん。
とても長かった。アメリカでの著名人が愛するカルト的な問題作が復刊。ここにてそれなりの感想をたやすく書けばいいのだろうが、自分の一番の感想は長かっただ。見せ物サーカス夫妻の経営するテントの中で、わざと奇形に産まれ育った兄弟達。がっちり外の世界からガードされ、より多く人に見た目で賞賛されるかが、一家のヒ...続きを読むエラルキーとなる世界。どの部分で反応し感じるか、個人によっての本への捉え方が大きく変わるので、そういった意味での貴重さはある。 最後の主人公から自分の娘への手紙はない方が良かった。それが愛だとワシは思うのだ。
これ読んで運命が変わった、人生が変わった、と言えるのが正しいツウだろうと思うんだけれど、私は変わらないかな。 もちろん面白いし強烈に家族愛だしロマンチックでもあるんだけれど。 なんと言っても「真のフリークは作れないのだから。真のフリークには生まれつかねばならないのだ」から。
本の7割を越えたあたりからどんどんと読むのをやめられなくなる展開だった。タイトルの意味が家族に対するものであったり、同じ側へ向けられるものであったり、と分からされる力強い描写には痺れてしまった。描写は強烈だがユーモアも多く、アーティの金玉のカビを念動力で動かして蝶々結びの形にするチックが可愛らしい。...続きを読む家族の伝統が火葬だと伝えることも皮肉が効いていて良い。疎外されたものたちには、自分なりの誇りがあることを気づかせてくれる。
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