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だまされる才覚がひとにないと、この世はかさっかさの世界になってしまう。――星の見えない村のプラネタリウムで拾われ、彗星にちなんで名付けられたふたご。ひとりは手品師に、ひとりは星の語り部になった。おのおのの運命に従い彼らが果たした役割とは? こころの救済と絶望を巧まず描いた長編小説。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
高校入学前の子どもの課題図書一覧の一番上に紹介されていた。親である自分が読みふけるが、子どもはページをめくらず。入試国語で落第者向けの補講としての教材なのに。 いしいしんじの筆致から、文学の神髄を涵養させたいのか。こういうヘタウマが理解できるのか。 こころの救済と絶望を巧まず描いた長編。 巧まず(た...続きを読むくまず)って意味が国語落第者には、分からない。図らずもと言い換えるより、巧まずという表現が、双子の主人公の生き様らしい。
阿久津仁愛くんがこの作品の音楽劇に主演で出演したことがきっかけで出会った本!だいすきで、何回も読んでいます。
心に深く沁み入る言葉、大事にしたいことがたくさん詰まった小説だった。 登場人物の、真正面から物事を受け止める姿や素直な心、優しさに、涙が溢れて止まらない場面が多々あった。 星の見えない土地のプラネタリウム。手品。それは 心を和ませたり心を打ったりすることができるもの。だれでも、現実ばかり見て生きて...続きを読むいたらかさかさに渇いて何の面白味もない人生になってしまう。まやかしや偽物でも、本物以上のきらめきを人の心に灯すことができる。大切な誰かと一緒に見たり体験したりしたすばらしい出来事は、その後自分の人生を豊かにするだけでなく、いつまでも心の中で自分の支えとなって暖かく残り続けるんだと思う。生きていれば辛いことや苦しいこと、受け入れられないような現実に打ちひしがれることがあるけれど、心に光のかけらが、星粒が一つでもあれば、それがきっと遠い未来まで自分を生かしてくれるはずだ、そう思える作品だった。
プラネタリウムの解説員である「泣き男」は、村で水死した女があとに残した双子を引き取って育てることになる。 双子には、太陽の周りを三十三年周期で回っているテンペルタットル彗星から、テンペル、タットルと名が付けられる。 勝ち気で活発なテンペルは、村にやってきたサーカスの一座についていき、やがて世界的な...続きを読む手品師として、旅から旅の暮らしを送るようになる。 対する穏やかなタットルは、村に残り、郵便配達員として、また父の仕事を手伝ったりして暮らしている。 中身は対照的でも見かけがそっくりなこの双子は、「熊」に関わってそれぞれの運命を歩んでいく。 いしいさんの作品には、いろいろなものが詰まっている。 身体の苦しみ、心の痛み、思いやりや知恵。 ここで描かれる世界は決して理想的なものではなく、雑駁で残酷なものも含まれているけれど、どこか温かい。 『麦踏みクーツェ』よりも、本作の方が好きかもしれない。
「手品師の舞台は、演芸小屋や劇場にかぎらない。私たち手品師は、この世のどんな場所でも、指先からコインをひねりだし、カードを宙に浮かせ、生首のまま冗談をとなえつづけなければならないのだ。いうなれば私たちはみな、そろいもそろって、目に見えない六本目の指をもっている。手品師たちのその見えない指は、この世の...続きを読む裏側で、たがいに離れないよう、密かに結ばれあっているものなのだよ」 ファンタジーの名手いしいしんじの傑作長編。 山間の村にただひとつあるプラネタリウム。そこに捨てられた双子のテンペル・タットルを中心に悲喜こもごもの人間模様を綴る。 剣も魔法も出てこないけど、この人の書く本はすべからくファンタジーだと思う。 どこかにありそうでない街。現実離れしてるようで、現実を引き継いだ世界観。よい人もいれば悪い人もいる、正直者もいればずるい人もいる。金持ちも貧乏人も、大人も子供も、強者も弱者も……そして彼の作品の主人公は普通の人より少し不器用で、少しだけ世界からずれたところに存在する者。 プラネタリウムに捨てられた双子は泣き男に拾われ育てられ、銀色の髪の美しい少年に成長する。 毎年工場では父親のわからない子供が産まれ養護施設に預けられる。煙突が吐き出す煙のせいで空は曇り、星は見えない。労働者は皆疲れている。そんな村で唯一、村人の娯楽として偽の星空を映し続けるプラネタリウムでは様々な出来事が起きる。 十四歳になった時、テオ座長率いる手品師一座が村を訪れたことによって、二人はそれぞれ別の道を歩むことになるのだがー…… 優しくて哀しくて痛くて切なくて、いろんな感情で胸が一杯になる。 綺麗で楽しいばかりがファンタジーじゃない。 実際、作中では少なからぬ悲劇がおき、少なからぬ涙が流される。 時に、不幸に打ちのめされた人の心は絶望の闇で塗り潰されそうになる。 けれど 「くらやみなんです」 「もちろん、そこには何も見えません。見えないから、闇というのです。でもだからといって、そこに、なにもないとは、いえませんでしょう。なにかがあると感じるからこそ、われわれはきっと闇にひかれ、そして闇をおそれるのでしょうから」 作中泣き男が語るこの台詞こそ、本作の、ひいてはいしいしんじ作品すべてに通底するテーマを象徴する。 作者は目に見えないことやものを軽んじず、尊重し、あくまで純粋に向き合い、描き出そうとする。 哀しい過去を背負った不器用で真摯な人間達。 彼らが哀しみと折り合いをつけなんとかやっていこうとする姿勢が、自分が辛い時さえどん底の誰かをすくい上げようとする優しく気高い志が、「感動」の一語で括れない深遠な余韻を帯びて胸に迫る。 犬と兄貴のエピソードには思わず泣いた……。
号泣。 そして、私は星のギリシア神話を買いました。 やっぱりいしいしんじさんの物語はいいです。 「ファンタジー」って言ってしまうとその一言で片付いてしまうんだけど、なんというか、この世の地面から少しだけ足が浮いている感じ、この感じがたまらないのです。
フォロワーさんからオススメして頂いた、初いしいしんじさん。 「でも、それ以上に大切なのは、それがほんものの星かどうかより、たったいま誰かが自分のとなりにいて、自分とおなじものを見て喜んでいると、こころから信じられることだ。そんな相手が、この世にいてくれるってことだよ」 泣き男が言ったこの台詞が、...続きを読むこの小説の一番ぐっとくる部分だと思う。 幼い頃に双子が見たプラネタリウムの星空は、双子にとっての暖かくて大切な思い出で、道は違えどしっかりと受け継いで人に伝えていく。お父さんと双子とプラネタリウムと、それを取り巻く人間模様の、優しさで溢れるお話でした。
第六章 光のかけら は、涙が止まらなかった。 すべての登場人物がいとおしくてたまらない。 読みごたえがある良作。おすすめ。
「だまされることは、だいたいにおいて間抜けだ。ただしかし、だまされる才覚がひとにないと、この世はかさっかさの、笑いもなにもない、どんづまりの世界になってしまう。」 現代のおとぎ話。 この不思議な世界観が気に入った。 自分にできることを精一杯やって、それでなにか少しでも人のために役に立てるのなら素...続きを読む晴らしい。 決して出しゃばらず、かといって遠慮せず。分をわきまえて生きられたらいい。
『ふたご』をキーワードにとある本屋で見つけた一品。 プラネタリウムに拾われた双子の話。 ある日双子の片割れは運命を違い、それぞれの人生を歩む。 そして再び出逢った時には・・・
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プラネタリウムのふたご
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いしいしんじ
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