ある一日

ある一日

484円 (税込)

2pt

3.9

「予定日まで来たいうのは、お祝い事や」。にぎやかな錦市場のアーケードを、慎二と園子は、お祝いの夕食にと、はもを探して歩いた。五年前には、五ヶ月でお腹の赤ちゃんの心音が聞こえなくなったことがある。今回は、十ヶ月をかけて隆起する火山のようにふくらんでいった園子の腹。慎二と迎えたその瞬間、園子に大波が打ち寄せた――。新たな「いのち」の誕生。その奇蹟を描く物語。

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ある一日 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2021年12月12日

    恐らくは作者自身の、ある夫婦の出産の一日。日常からはじまり陣痛を経て出産へ至る過程が、実に濃密にでも淡々と描かれています。独特の言葉遣いや、こちらとあちらを行き来する文章に圧倒されながら、ずんずんとお腹の底から力が湧き出てくるかのような気持ちにさせられます。

    視点は夫から妻へ、妻から夫へと移り変わ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2015年02月26日

    園子の出産場面、最後の手紙でボロボロ泣いてしまった。
    本を読んで泣いたのは『西の魔女が死んだ』以来だと思う。

    最初の方こそ、登場人物2人の視点があっちにいったりこっちにいったり、ハモやうなぎの話をしたりで読みにくい小説だなぁ、と思ったけど、読み進めるとそれらが全て『生まれる』ことや『生命のエネルギ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年02月05日

    前半ははもとまつたけを食べる2人が印象的。
    そして園子さんの出産シーン。私もつい3ヶ月前に体験したのが誇らしく思えるぐらい、神々しくて、奇蹟に近い営みなんだと思わせてもらえた。
    母親目線だけでなく、これからまさに産まれ出ようとする胎児の目線で書いてある文章はものすごかった。手に汗を握るぐらいドキドキ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2015年11月29日

    読み進めていくうちに、タイトルの「ある一日」を実感してハッとした。

    1つ目は、この小説が一日ちょっとの出来事であること。
    いしいしんじの言葉巧みな描写が、「ある一日」にこれほどの読み応えを与えている。

    そして、もう1つは当たり前だけど「ある一日」の過ごし方は人それぞれ違い、どこかで違うドラマが起...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2017年12月23日

    園子さんの出産を私小説として描いている。
    ごはん日記のファンなので、やはり事実は日記として読むのに敵わないのだが、
    出産の描写は未経験者にはとても恐ろしく、かつ、尊い。
    園子さんのバースプランが巻末に載っているのもよかった。
    高齢出産ということもあり、いろんなひとに希望を与えるとおもう。

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    Posted by ブクログ 2015年01月18日

    もうすぐ出産を迎えるわたしに友人が贈ってくれた一冊。
    いしいしんじという人は神様みたいだ。出産するのは自分ではなく妻なのに、ましてや胎児でもないのに、陣痛の苦しみ、胎児がこの世に生み出される瞬間の思いを、ものすごく鮮明に、詩的に描いていて、凄い。まさにいのちの誕生の奇蹟。

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    Posted by ブクログ 2014年08月25日

    出産の一日を切り取ったお話。
    母親が経験する痛み、胎児の戸惑いが迫ってくる。自分も色々な光と音、匂いに包まれているような気分になった。
    141ページと薄いけど、濃かった。。最後のバースプラン、ステキです。

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