ユーザーレビュー 百人一首の作者たち 目崎徳衛 歌人たちを、政治的には敗北した天皇、没落した古代の名門氏族、本流から外れた藤原氏の公達、 宮廷に仕えた機知に富む女房、独自の風流を確立した僧侶などに分類した上で、 個々の人間関係や史実・逸話を通して、歌の背後にあるその生き生きとした姿を描いていく。 冒頭が名文であることは認めつつ、仮名序の六歌仙評...続きを読む価や和歌の歴史の記述は、 真名序に比べて錯誤があり杜撰なことの指摘や、 『天皇は終始マツル人であって、マツラレル神ではなかった』『君臣の間を流れる豊かな人間的親近感』 といった平安貴族の歴史観や天皇観を解いていく部分なども興味深い。 Posted by ブクログ 平安王朝 目崎徳衛 / 佐藤全敏 本書は「日本歴史全集」の一冊として、8世紀末から10世紀末のおよそ200年間、いわゆる"平安時代"前半を対象範囲としている。 50年以上前に書かれた一般読者向けの概説書であるので、研究の進展により今では異なる論が通説になっているような叙述も散見されるが(例えば"薬子の変"の主役は誰かなど)、著者...続きを読むの筆にかかると、この時代の有り様が鮮明に浮かび上がってくる。 それは、政治を動かす天皇や貴族層、また文化人や宗教人、時代後半に登場してくる武士など、この時代を代表する人物たちについての著者の思いや評価が、簡潔な叙述の中にも窺われ、歴史を生きた人間の営みとして感得できるからだと思う。特に歴史の敗者、不遇な者たちへの愛惜の念は一入である。 また、律令国家の制度や官制、藤原氏の台頭状況、班田収授制等の経済、税制等の変化、中央と地方の関係の有り様なども、図表や地図を効果的に用いて分かりやすく説明してくれる。 特に、著者の専門とする文化面について、例えば漢文と和歌の関係、国風文化という評価が妥当かどうかなど、蒙を啓かれる。 各論的には乗り越えられた部分もあるだろうが、歴史家の魅力的な叙述を味わえる一書だと思う。 Posted by ブクログ 百人一首の作者たち 目崎徳衛 学のない私には難しすぎる。私にはエッセイ風な百人一首の本があっているのだと感じた。 でも、興味を持った歌や作者について詳しく知ろうと、そこだけをピンポイントで抜粋して読むと知識が広がりなかなか面白い。 Posted by ブクログ 目崎徳衛のレビューをもっと見る