年始の本屋での買い出しで目についた本書と、同時に3万円が夢物語でない、という本と両方を購入。まずは厳しいこちらから。
著者はアベノミクス2本目までの矢による2013年の相場の上げを見事に予想。そして本書では消費税増税と第3の矢の不十分さを「ブレーキとアクセルの両方を同時に踏み込むアベコベミクス」と皮
...続きを読む肉る。
日本は外債を溜め込んでいるために「大きな債権国」であると主張。日本が大幅な債務国である、と国民に印象を与えている政府と日経新聞を痛烈に批判する。なるほど債権国と債務国では行うべき政策が違う。
より積極的な財政政策により景気刺激策を行うべきであり、消費税増税で景気を冷やす行為は全くもってナンセンス。
中国と欧州の経済問題から、溜め込んだヘッジファンドが雪崩を打って売りに出ると売りが売りを呼んで日経は暴落。
そんなシナリオ。
「株価は最終的にはファンダメンタルズに戻る」という至極真っ当なことが最後に書かれている。短期的には上下するものの、本来の価値に修練するというものだ。
著者が消費税増税での消費マインドの低下を加味して日本株の理論値を計算すると1万円を割り込む。そこに投資家心理を加味すると9000円割れ、というのが見積もりだ。
理論的な裏付けは冷静でうなずける。信用売りのタイミングも解説されているので読むべき1冊ではあると言える。