無農薬というと非科学的なトンデモ論のように感じられたが、本書で覆された。
というのも、「無農薬が優れているなら何千年も同じ方法をすれば良いのであって、人類は農薬なんて生み出さなかったのではないか?」と思っていた。
しかし本書を読むと無農薬には深い観察と深い自然への理解が必要であり、これを本やインタ
...続きを読むーネットなしで伝えていくのは難しいように感じた。また窒素のような科学知識を誰もが持ってる現代だからこそ質の高い無農薬農法が確立されたようにも見える。
なので「突然現代に素晴らしい無農薬農法が生まれる」というのもあり得る話なのかもしれない。
本書の理論にも納得できるもので、自然界を再現すれば育つのは確かにそうだ。
病気になりやすい、虫がつくのも「不自然だから」というのも目から鱗だった。
従来の農法は「お腹を壊したら抗生物質で善玉悪玉全て殺す」のような方法だと考えると、それを繰り返せば作物は弱るのも理解できるし、自然に近い形を再現すれば元気に育つのも理解ができる。
ふと現代の人間もいわゆる農薬漬けの作物と同じようなものなのかなぁと思うと、改めて人間の在り方についても考えさせられた。