作品一覧
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4.0超高齢化が急速に進むわが国では、「終活」の名のもとに、多くの人が死への準備をしているように見えます。しかし、人間は死を“予行演習”することはできません。ソクラテスが「哲学とは死のレッスンである」と述べたように、哲学こそが最強の「終活」なのかもしれません。 本書では「哲学者」の枠にとらわれず、釈迦、ソクラテス、プラトン、キリスト、空海、源信から、キルケゴール、ニーチェ、フッサール、ハイデガー、ヴィトゲンシュタイン、サルトル、セーガン、手塚治虫まで、「死」について考え抜いた偉人たちを取り上げ、そんな先哲たちの死生観と、彼ら自身が一人の人間として「死」にどう立ち向かったかをたどります。また、先哲たちの著作だけでなく、アニメ、ゲーム、映画、ドラマなども引き合いに出し、現代の死とさまざまなブームにも目を配っています。 難解な哲学書、聖書、仏典などをわかりやすく読み解き、死をキーワードに、哲学とキリスト教、仏教などの本丸に乗り込みます。 著者・内藤理恵子氏は、葬送文化のフィールドワーク、ペットの葬儀などの研究にも携わり、さまざまなメディアに登場する気鋭の哲学者・宗教学者。また、似顔絵師として生計を立てていたという異色のキャリアを持ち、その腕は本書でも活かされています。 誰でも一度だけ経験する「死」。重くなりがちなテーマですが、どこか笑える哲人たちの生きざまも軽妙に描かれ、読んで楽しい哲学入門です。
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3.01巻1,870円 (税込)日本の社会は高齢化・多死化のフロントランナーであるとともに、世界的なウィズ・コロナの状況を受け容れざるを得ない。 何事も正しい答えを見出し難いこの世界で、究極の問い「死」との向き合い方を考えることは、よく生きようとすることだ。 漱石の『こころ』、コロナ禍でベストセラーとなったカミュの『ペスト』、文豪ドストエフスキーのドッペルゲンガー物語、現代の古典カフカの『変身』から、村上春樹の短篇、SF、ミステリまで、小説家はいかに死に迫り、いかに死を描いてきたか? 登場人物はいかに危機と戦ったのか? 『「死」の哲学入門』に続き、死生観を問いなおす文学篇。 宗教学者による類例なき驚きの小説入門。
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4.0
ユーザーレビュー
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Posted by ブクログ
昨今、シンプルに生きることを推奨する本がたくさん出ていますが、
そうはいっても人生は簡単ではないという実感が自分にはあります。
自分にとって哲学の本は、仄暗い足下を照らす灯火のような、
あるいは霧深い先行きの道しるべのような、とても効用的なものだと思っています。
けれど大抵の哲学書は難解だったり、難解ではないけれど面白くなかったり。
なので途中で投げ出してしまったことが過去にたくさんあります。
この本では映画という身近な題材を手がかりに、
「人間とは」「生きるとは」という哲学的思索が展開されます。
それは決して難解なものではありません。
著者の人柄がそのまま伝わるような、柔らかで解かりやす -
Posted by ブクログ
大学で国文学を勉強している者としては、文学テクストの解釈に作者の実生活の情報を持ち込んだり、筆者の印象論が多かったりして、途中で読むのをやめてしまった。
『ダンス・ダンス・ダンス』の五反田くんは、表向きは理想的な人間として生活しているが内面には狂気が潜んでいる、というユング心理学の理論にピッタリ当てはめることのできる「わかりやすいキャラ」であるが、一方『謝肉祭』のヒロインは心理分析できない複雑な人物である、という意見はなるほどと思った。
ドッペルゲンガー(分身)が登場する文学作品は結構多いらしい。それを主に、ユングの「原型」という概念で分析している。
原型のなかで、私たちが認識しやすいのは