●それまでの仕事は中堅ゼネコンの現場監督。44歳で転職した私が、ソニー生命4000人のトップに。高専では土木工学、大学では建設工学の研究に没頭し、ひたすら技術畑を歩んできた私は、しゃべり上手でもなければ保険や金融に詳しいわけでもありません。そんな「ただのおじさん」がトップクラスの営業マンになったのは
...続きを読む「紹介」に焦点をあてた独自の営業スタイルを確立したからです。
●モノが売れない時代といいますが、そんなことは決してありません。正確には、人々がどこで、誰からモノを買っていいかわからない時代です。だからこそ、紹介を介しさえすれば、これほど売りやすい時代はないのです。
●「紹介まで要求するのは申し訳ない」こそ失礼な行為
最後に「どこがよかったか」をたずねるアンケート項目には、商談の最後にこれを聴くことで、お客様の満足度が格段に高まり、紹介がもらいやすくなる効果がある。お客様はアンケートで「商談のよかったところ」を振り返り、自筆でそれを書くことで、「この商品を買ってよかった」「この人から契約してよかった」と自分を肯定することができ、満足感をおぼえます。商品や営業マンに対する満足を実感できれば、「このことを誰かにしゃべりたい」「あの人にも教えてあげたい」という気持ちになるのはごく自然なこと。
●おさえておきたいのは、お客様にアンケートと紹介をお願いする「タイミング」。これはお客様の「不安値」が最小になったとき、つまりは契約の直後にかぎります。最後のアンケートや紹介の交渉に割いていい時間は10分が目安です。
●ほとんどの営業マンが見落としているのは、第三の布石「自分がなぜ紹介をいただきたいのか」を正直に伝えることです。なぜ紹介をいただきたいのか?それはもちろん、この仕事を長く続けて一人でも多くのお客様を守り続けていくためです。ただ、同時に、より多くの契約をいただくことで結果的に生活は安定し、この仕事を長く続けることができるからでもあります。変にとりつくろう必要はありません。正直な想いをそのままお客様にぶつければいいのです。そんなこと、わざわざいう必要はないと思ったら大間違い。こちらから告白しなければお客様は「自分の成績のために紹介を頼んでるんだろう」とお感じなるかもしれませんが「生活を安定させ、この仕事を長く続けることで、一人でも多くのお客様を守り続けていくためにお願いしたい」と本音でお話しすれば、お客様は「それなら紹介しよう・・・」と思ってくれるものです。紹介がほしい理由を伝えたら最後に「紹介は営業マンだけではなく、お客様のメリットにもなる」ということをアピールしましょう。お客様にとって紹介のメリットはなにかといえば、営業マンが退職することなく長く担当してくれるということです。つまり、見込み客を紹介するのはお客様にとっても決して悪い話ではないのです。
●YES,YESを繰り返すと紹介も「YES」になる。
●「誰でもいいのでご紹介ください」と言えば「誰も紹介できない」と返される。
ここでの鉄則は「お母様を」「ご友人の●●さんを」「趣味のサークルのお友達を」というように、こちらから紹介してほしい人を具体的に提示することです。「誰でもいいから」というお願いのしかたは、自分本位な印象を与えます。営業マンはあくまでも「商品を売り込むため」ではなく「いい話し、役に立つ話しを教えるため」に紹介をもらうのだから、「誰でもいい」ということはないはずです。
●断られたら必ず「がっかり感」を示しなさい。
紹介を断られたからといって、「あ、そうですか」などとあっさり引き下がってはいけません。そんな態度ではお客様から「それほど本気ではなかったんだな」と思われてしまいます。「紹介は無理です」と言われたら、「そうですか・・・」と身体全体で「がっかり感」をあらわすべきです。それまでニコニコと話していた営業マンが初めて見せる残念そうな姿は、お客様の心を少なからず動かします。可能性は高くはないけれど、「そんなに紹介がほしいなら・・・」と考え直してくれる方もおられます。そのときは紹介がでなくても、ここで自分の本気度を示しておけば、あとから「知り合いが話を聞きたいって言っているんだけど」と連絡をくれることもあります。気をつけたいのは、「がっかり感」は言葉ではなく態度で表明するということです。ストレートに「紹介がもらえないなんて残念です」と言うと、お客様を非難しているようなニュアンスにとられる可能性があるからです。