本書全体の特徴としてとにかくWTOについてぎっしりと書かれている。前半ではWTOの歴史や役割などについて、後半ではWTOと市民社会、途上国とのかかわり、及びFTAとの違いについて述べられている。
この本を読んで思ったことはWTOはFTAより途上国に対してきちんと配慮しているということである。
...続きを読む現在でもドーハラウンドは行き詰っている点が多く、代わりにFTAの締結が進んでいるが、やはり途上国を含めた世界全体としてのルール作りを進めていくことが必要ではないかと感じた。
内容については自分自身国際貿易について明るいわけでもないし著者の意見もあまりないため反論するところは特にないが、全体的に文章がかたく、また専門用語や条約が多く出てくるわりに索引がないために読みものとしてもおもしろくなく、調べものとしても使いづらい。中身は決して悪いものではないだけにもったいにない本だと思った。