多くの図表をもとに丁寧に危機的状況が説明されている。
技術力で世界の国々と戦うためには、日本の公的研究期間の研究資金と研究従事者数を1.5倍から2倍に増やして、人的・資金的に研究環境を改善する必要があるとの主張だ。
日本の運営費交付金や私学助成金の少なさは眼に余るものがある。社会保障費が増大す
...続きを読むる一方で、普通の国民は生活の中で実感しずらいこのような高等教育・研究費が削られているのだろう。
ただし、ミクロ的視点に立ち、個々の大学や研究機関を見ると、その教育や研究のレベルに疑問を持たざるを得ない現場(教員、研究者)も少なからず存在する。どこまで許容し、淘汰していくのかという議論もシビアにする必要もあるのだろう。
ノーベル賞受賞者の本庶佑先生が製薬会社に対して特許料の件で不服を申し立てているのは、まさに若手研究者の育成資金を確保するためであることも認識しておきたい。