がんになって、その時の治療に対する「前向きさ」が結果に影響しないという事実を知ったことが一番の収穫か。ともすれば、「気を強く持って」などの励ましを送りがちだからだ。
様々な研究結果から導き出された、性格に上も下もない、ということも味わい深い。色々な人が居て初めて社会が成り立つことを改めて実感した。
...続きを読む
・ストレスが強いと、肥っている人はますます肥り、やせている人はますますやせる。
・性格や心理的要因(抑うつ、無力感・絶望感)と、がんの発生や進展、予後に対して影響はない。循環器疾患は関係がある。
・「生き甲斐」「幸せ」「前向きな気持ち」「活力」などの感情を持つ人は死亡率が低い(がんは変わらないが、循環器疾患と外因死)。アカデミー賞を受賞した俳優、逃した俳優にも寿命に有意差がある。
・社会的ネットワークが豊富な高齢者や余暇活動が活発な高齢者では、認知症の発生率が低い。
・神経症傾向が強いだけでは認知症のリスクは上がらない。神経症傾向の強い人であっても、家族や友人との交流が多かったり、余暇活動を活発に行ったりしていれば、認知症のリスクは下がる。
・テレビやラジオの視聴は認知症の予防効果が認められない。
・脳の予備能が多い人。1.幼少期に、安全かつ快適で遊んだり学んだりする機会が多かった。2.学歴が高い。3.あたまを使う職業に従事。4.中年期以降社会的ネットワークが豊富で、しかも活動的な生活をしている。
・65~69歳が心理的苦痛が一番低い。高いのは25~34歳。
・『つながり』のクリスタキスらの研究の詳細の説明(P225~)+隣人が幸せな場合は自分が幸せになる確立が30%も上がる。