デュランの強引さがなあ……正体バレの展開は面白かったし興奮したけれども、それまでに積み上げてきたマイナス側の印象がでかすぎて苦手意識が払拭できないという。
彼のキャラクター性を受け入れられるかどうかで作品の印象は変わりそうな気がする。
自分はとにかく強引で口の悪いデュランが苦手で受け入れにくかった。
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努力もしているし、有能なのは認めるんですけども……うん、苦手。
でも、国の宗教的に否定されている幽霊が見えてしまう令嬢クレアが親友の霊をどう救うのか、また事件に隠された真相は何なのか、それが気になってつい読み進めてしまった。
この推進力でデュランの苦手意識は何とか克服できた感じ。
事件は思っていたより時代をまたがった話に広がって面白かったし、人間側の犯人との対決よりも幽霊側との対決に重きを置かれていて、そちらの方が見せ場だったと思う。
故に、途中にどう考えても犯人側よねと思えるムーブかましてきたキャラの末路は実にあっさりめで驚いた。
え、あれで終わり?
また、クレアの親友の霊の件はというと……全てが綺麗にまるっと解決(もしくは、イギリス風の世界観のこの作品でこの言葉を言うのは不似合いかもしれないけど「成仏」)するとは限らないのは現実世界だけの話ではないらしい。
フィクションの世界もなかなかに厳しいのである。
でも、そこには確かに彼女たちなりの「友情」もあって……難しいですね、他人とのかかわりって。
それがたとえ相手が幽霊になってしまっても。
そんなことをしみじみ感じた作品だった。
ともかく、デュランは性格をもっと改めてください、頼むから。