10代に語りかけるような文章で、とても読みやすかった。子供にも勧めたいと思った一冊。
著者自身がかつて薬物依存症で、今はダルクの主催者。話が具体的かつ説得力がある。
初めて薬物に手を出すのは、中1~中2頃が多いらしい。それも、せき止めとかガスボンベとか「警察に捕まらない」ものを友達から勧められて
...続きを読むという理由が多い。一度やってしまえば、精神がクスリにのっとられる。クスリが切れた時に頭が痛いとか肉体的な症状はない。欲しくてたまらないという強い心の症状が現れる。だからクスリは悪魔だと著者は言う。
「朝起きるとクスリのことしか考えられず、どこで手に入れるか、どこで使うか、そのことで頭がいっぱいになる。…生活のすべてが、覚せい剤を中心に回っている。」という部分が怖かった。
また、薬物依存者に必要なのは君の友情だ、という部分も意外だった。薬物依存者は、心の優しい人がほとんどだそう。そういう彼らを社会から閉め出すのではなく、
救う方法を考える社会であってほしい、と。
依存は病気であって、決して恥じるものではない。ダルクや地域の保健センターは、決して警察に通報するようなことはしない。彼らは病人であって、犯人ではないから。という部分も印象に残った。