アンソニードーアの作品一覧

「アンソニードーア」の「すべての見えない光」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • すべての見えない光

    Posted by ブクログ

    時間軸や人物の視点が次々に入れ替わっていく、パズルのような構造の物語。第二次世界大戦を背景に、戦争が人々の人生を否が応でも変えていってしまう中盤まで、膨大な文章量も相まって読むのにエネルギーを使う。しかし、それまでの伏線を回収しながら全ての話が繋がっていくラストの約100ページは圧巻。

    長編小説ではあるが、ノンフィクションの要素も、ミステリーの要素も、詩の要素も、神話の要素も散りばめられている。作者の大胆かつ緻密な構成と、優しく丁寧な人物描写が素晴らしい作品。いつかまた読み返せたらと思う。

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    2024年03月23日
  • すべての見えない光

    Posted by ブクログ

    余韻の残る読後感、心がしばらくこの小説の中を漂いました。深く考えさせられる内容であり戦争のむごさに震えましたが戦後の主人公達の生きる姿にも触れられていて少しホッとしました、また人が生きる強さも感じました、

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    2024年01月16日
  • すべての見えない光

    Posted by ブクログ

    第二次世界大戦下。フランス・パリの博物館で働く父と暮らす盲目の少女。一方は、ドイツの炭鉱町にある孤児院に妹と暮らすラジオに興味を抱く少年。

    国も境遇も違う、戦争が無ければ決して巡り合わなかった二人の人生が、時間軸を前後しながら短い断章として交互に語られていきます。次第に戦争に巻き込まれて行く盲目の少女と少年の心情。そして、二人を中心とした他の人との交流が丁寧に描かれていて、美しい文章表現と相まって話しに引き込まれていきます。

    ただ、読み終えた直後は、期待した結末ではなかったので、しばし呆然という感じでした。しかし、少し時間をおいてみると、この結末だからこそ、二人の邂逅がより輝いて感じられる

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    2023年12月16日
  • すべての見えない光

    Posted by ブクログ

    違う時間、違う場所にいる登場人物たちの視点で語られる断片的な情景がひとつの物語に集約されていく描写に圧倒された。映画を観たというかもはや自分で撮ったように感じるくらい引き込まれた。

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    2024年04月18日
  • すべての見えない光

    Posted by ブクログ

    第2次大戦のフランスの盲目の少女マリー=ロールとドイツの機械に強い少年兵ヴェルナーの邂逅の物語です。マリー=ロールの物語とヴェルナーの物語が交互に入れ替わる形で著され、物語の先が徐々に明らかになっていく技法は小説独特で、盲目の少女の感覚と重なるようなイメージを読者に与えているような気がします。マリー=ロールの持つ宝石の行方も気になる読者も多いと思います。物語の終わりは、世代の移り変わりによって、消えゆく者の定めを著しているように思えました。傑作だとは思うのですが、過去に読んだ名作と比べてののめり込み度合の部分で星4つにしました。

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    2024年01月25日

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