2007年に初版が出た本であるが、現在の統治構造に当てはまる部分も多々あると感じた。
議会を背景とする議院内閣制に対する、官僚からなる省庁の代理人が集まる「官僚内閣制」、というワーディングが印象的だった。
自分も一時期霞ヶ関で働いていたが、官僚の積み上げ式の意思決定、場当たり的な政策、振り付け通り
...続きを読むに動くだけの大臣、などを目の当たりにし驚いたが、これらに対して鋭く論評がなされる本書は爽快にすら感じた。
何よりも、民意の集約や一般化がなされないまま政策が形成されていく過程に非常に懸念をしていたところ、責任の所在(政党)や改革手法(選挙改革から意識改革まで)に触れられていた本書は、非常に勉強になった。
日本の官僚には非常に優秀な人々もおり、そのアセットを機能させないで放置するのはもったいないと思う。
日本の政治システムは改良してきたらしい。今後も改革が続けられていくことを期待したい。