遺伝と「平等」と言うと、優生学とか過去の色んな犯罪学とか絡んできて若干引くところがある。
筆者も、それは否定しないし、実際過去にはそれが利用されて来たのも事実。
だが、社会的成功や人生に、「遺伝」が絡んでいることは、否めない事実であり、それに目を瞑ることもまた、誤りにつながると論ずる。
前半は
...続きを読む、様々な遺伝に関わる研究の成果、手法の進歩、問題点について触れ、遺伝の影響を排除は出来ないことを述べ、後半でそれを前提にした上で、では、どう言う社会を作っていくのが望ましいのかを説明していく。
いい内容だと思う。
環境ガチャと遺伝ガチャは事実であるが、いくつかの特定の遺伝子に起因する病例などを除くと、極めてたくさんの因子が絡んでくる為、簡単にこの遺伝子が決定的とは言えない。あくまで統計と確率の問題ではあるが、それでも確実に、傾向はある。
遠くから見ればはっきりするが、近づくほどぼやけると言う言葉もいいな。
そうして、そうして「不平等」を一番背負った人が幸せになるための適切な介入はなされるべき。
生まれ持ったものを「手柄」には出来ない。
自分が何であるか、何になるのかが不明な状況で社会は設計されるべき。
感謝と謙虚と援助だな。