「ひみつの友だち」ものは、それだけでワンジャンルできるほどたくさんあるけど、ひみつの友だち視点で書かれたものというのはついぞ読んだことがない。そういう意味ではほんとに奇想天外。
しかもよく正体のわからない男とそのひみつの友だちも出てくるし(これがまたこわい!)頭のなかにいっぱい「?」が飛び交って、
...続きを読む最後も謎が解けたような解けないようななんだけど、しまいにはジーーーーン。
この本は、完全に大人視点で読んだな~。ママのリジーがいいんだよね。クラスメートのママが、娘がひみつの友だちが見えると言い出したとたんうろたえて精神科に連れていくところが茶化して描いてあるけど、親になったらそういうふうになってしまう人はたくさんいる。子どもがオタクでも引きこもっても、ずっと「大丈夫」と信じて待つのはなかなかむずかしいことなのだ。
なんかいっぱい暗喩めいたものが込められていて、ちょっと読んだ人と語り合いたい感じがした。
あ、それからエミリー・グラヴェットの挿絵がほんとにいい。これは愛蔵版になりそう。ページの下隅の小鳥さんはいったい何者? いろいろ気になるなー。