『オスマン朝とはイスラム化したビザンツである』
イスタンブルを中心とした2大帝国に対して興味がつきない理由がここにあったのか…!と妙に納得した言葉だった。2つの帝国は決して断絶しているのではなく、ビザンツを内包したオスマン帝国が大きくなっていったのだと。
帝都がまだビザンチウムと呼ばれていた時代
...続きを読むから説き起こし、2大帝国の時代を経て、今はトルコ共和国領となっているイスタンブル。それ故に抱えうる数々の宗教的民族的諸問題。
東は旧ロシアやイランも視野に入れ、ギリシアとの類似点を指摘しながら、問題解決に向けて歩を進めるトルコの今を描き出す力作。「西欧」的観点からでは指摘し得ないであろう、希望を感じる内容だった。
実際に好きで訪れているせいか、国内のオーソドックス教会に関する記述が大変興味深かった。