作品一覧

  • あとを継ぐひと
    4.0
    1巻770円 (税込)
    父親から下町の駄菓子工場を継いだ素人の娘。老舗旅館の女将を継ぎたい、トランスジェンダーの息子。障碍者を雇用する会社で、仕事に、人間関係に悩む新入社員。祖父の農場を継ぐという息子を心配する父親。なにかを「継ぐ」にはトラブルがつきもの。それでも前の世代から何かを引き継ぎ、次へ伝えようともがく人々を描く、連作短編集。
  • 今日の花を摘む
    3.3
    1巻2,090円 (税込)
    私の趣味は、男性との肉体を伴ったかりそめの恋。それを、私はひそかに「花摘み」と呼んでいる――。出版社に勤めるかたわら茶道を嗜む愉里子は、一見地味な51歳の独身女性。だが人生を折り返し、「今日が一番若い」と日々を謳歌するように花摘みを愉しんでいた。そんな愉里子の前に初めて、恋の終わりを怖れさせる男が現れた。20歳近く年上の茶の湯の粋人、万江島だ。だが彼には、ある秘密があった……。肉体の衰えを感じ始めた世代のリアルな性愛を軸に、自分を偽らずに生きる女たちの姿と、その連帯を描いた著者初の長編小説。
  • 劇団42歳♂
    3.5
    1巻682円 (税込)
    大学で劇団仲間だった5人の男たち。卒業後20年が経ち、今は異なる道を歩む彼らだが、一日限りの「オセロー」公演に向けて劇団を再結成した。だが個々の事情もあり、稽古は思うようにいかない。そのうち一人は姿をくらましてしまい……。果たして、無事に幕は上がるのか? そして、芝居の内容と絡みあう彼らの現実問題、その行く末は──? ややこしいから愛おしい、中年男子の「友情」を描いた連作短編集。 解説・北村紗衣
  • あとを継ぐひと

    Posted by ブクログ

    どんな場所でどんな人物がやりとりしているのかがありありとイメージできる素晴らしい文章力。解説の最後が「ドラマ化されるような気がする」と締めくくられているが、まさにすでにドラマ化したものを映像として鑑賞した読後感。6つの作品全てに引き込まれて、こんな薄い本読んでたんだっけ??というくらい不思議な感覚。

    人物の自己評価と他者からの評価への戸惑いも魅力。主人公に入り込んで読んでいると、「そうか、そう思われていたのかこの人は」となる。人が相手に与える印象、関係性、またその変化など、人はあくまで人を介して自分というものを作りあげていたり、知ることができるのかなと思った。直接的にあえて言葉にしなくてもで

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    2023年11月16日
  • 今日の花を摘む

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    すごく素直?な、セックス感がバンバン出てきて、すごいなって思って読み進みました。
    茶道のお付き合いの万江島氏とも、なんだかんだありつつの始まりとお別れも。

    が、万江島氏が、すべてを断ち切って、すみれさんと結婚されたことは、
    うん、これは潔く、かっこいいなと、感心しました。

    会社員としての話も、よくわかる気がして、とても好きな作品でした。

    0
    2024年03月24日
  • あとを継ぐひと

    Posted by ブクログ

    表紙の黒髪でひとつしばり、
    白いパーカーでこちらを見つめる女性が気になり、
    さらにタイトルが気になり手に取りました。
    -------------------------
    守りたいのは、
    伝えたいのは、
    「思い」だ。

    お金も事業も
    人間関係も、
    トラブル続出!

    理容店、
    駄菓子工場、
    チョーク会社、
    酪農家、
    老舗旅館、
    サラリーマン――

    継ぎたい、伝えたい人々の、
    切ない思いに胸が震える
    6編の”あと継ぎ”連作短編集!
    -------------------------
    一作目の「後継ぎのいない理容店」は、
    まだ読み始めだからか展開が速くて、
    自分の気持ちが追い付けないかも…と不安になり

    0
    2023年12月16日
  • 今日の花を摘む

    Posted by ブクログ

    時折挟まれる静謐な茶の湯の世界と相反するように性に貪欲な女性の姿が描かれている。

    主人公は中堅の出版社に勤め茶道を嗜む51歳独身の愉里子。
    愉里子の趣味は、男の人との肉体を伴ったかりそめの恋。
    タイトルは彼女がひそかに呼んでいる「花摘み」から。

    花摘みを繰り返していた彼女が本気で好きになった相手は、茶の湯の粋人で70歳の万江島。

    中高年の性愛を軸に、職場でのセクハラ事案や親の介護問題などが同時進行で展開していく。

    性に対する赤裸々な会話に引いてしまう場面もあったが、何事に対しても凛として立ち向かう愉里子の姿が印象的。

    0
    2023年08月10日
  • 劇団42歳♂

    Posted by ブクログ

    大学時代に劇団仲間だった5人の男が、42歳になった今、再び一日限りの「オセロー」の公演をするというお話。社長としてバリバリ働いている男、公務員の傍ら採用されない脚本を書いている男、車のセールスマンをしている男、それぞれ別の人生を歩んでいる。大人になってからの喧嘩では、プライドがあって素直に謝れなかったり、でも昔からの知り合いなので、相手の性格をよくわかっていたり、ほのぼのとして少し物悲しく、それでいて生きていく勇気をもらえるような不思議な小説。

    0
    2020年11月15日

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