タイトルと、表紙の装丁はアレですが、いかがわしい本ではありません。大まじめな社会学の本。著者は大学の先生。
なぜ、学校はブルマを体操指定服にしていたのか? どうしていきなり姿を消したのか?
そういうものを全国の学校が一斉に選んだ、しかも文科省からの指示通達があったわけじゃないのに。そのことにつ
...続きを読むいて明確な説明ができないのはなぜか。そんなテーマを扱った研究本です。
個人的な話になりますが、私、小学校と中学校、ずっとブルマでした。当時は漠然としか気にしてなかったですが、今考えると違和感がたくさん。
なんでこんなに「お尻がまるまる見える」カタチの服が、体育の指定服だったのか。ブルマが恥ずかしくて、体操着の上着をブルマを覆うように着て、ブルマ自体を隠していました。ノーパンみたいで、逆に恥ずかしい。
なぜブルマは出現し、消えたのか。たくさんの資料と、考察と、根拠を述べて、本一冊分、みっちりと論が展開されています。
疑問を呈する部分はすごく納得がいく。背景事情は興味深い。パンツ二枚履き理論はすごく腑に落ちました。メーカーさんの努力や、中学体育連盟の思惑なんかも面白い。
でも、それでもなお、著者さんが提示する理論には、部分的に納得しづらい部分がある。それも面白いところなんだと思います。一から十まで納得できるものではなく、ここはわかる、ここは私は違うと思う。そういうふうに読める本は、本一冊分以上の刺激があります。
お金が動き、人が動くものっていうのは、まあ、秘めた思惑と、時代の後押しってものがあるよねえ。
いつかまた、ブルマに関する新しい資料が見つかって、新しい論が展開されるんでしょうか。その日が来ることを願ってやみません。