作品一覧
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4.0こころの支援の現場に,何が起こっているのか? 日々揺れ動く社会構造との絶えざる折衝のなかで,支援者と被支援者の関係,支援の現場は今,どうなっているのか?――東京大学発「職域・地域架橋型:価値に基づく支援者育成」プログラム(TICPOC)開幕に始まるこの問いに,多彩な講師陣によるカッティングエッジな講義録+ポリフォニックな対話で応答する思考と熟議のレッスン。 個人の脳やこころの病理を治療しようと試みる「医学モデル」の限界,問題は個人の外部=社会との接面に生じるとする「社会モデル」の視点の浸透,社会構造の変容と精神保健医療福祉システムの再構築――こころの支援をめぐるパラダイムが大きく変動する現在,対人支援をどのように考え実践すべきか? 組織変革を構想するマクロの視点と、臨床場面で工夫を重ねるミクロの視点から,日々変わりゆく状況に応答する。
ユーザーレビュー
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Posted by ブクログ
オムニバス形式で内容は若干まとまりを欠いているように思えるが、学びは多く、今後は個人のカウンセリングだけでなく、組織や社会を巻き込んで広い視点から臨床実践を考えて行く必要があるなと思った。価値に沿った実践ということで、セラピストの価値とクライエントの価値、セラピストの所属する組織の価値などは、それぞれどこまで擦り合わせていけるのだろうか。単に、雇う側と雇われる側の関係だと、そこまで意識されないのかもしれない。ただ、臨床をしていく上で、組織の制約を受けているなと感じることは多々ある。心理的安全性の話もあったが、こういった側面からの組織改革が個人的に興味を惹かれた。