唯人は母親と二人暮らし。近くにいとこの洋平一家が住んでいて、いつも洋平に助けられている。
そんな唯人と洋平のおじいちゃんは中国残留邦人、二人の父親も中国で生まれて大人になってから日本へやってきた。
そしてアズという転校生。大阪にやってきたが大阪が嫌い。
二人ともクラスには馴染めない。そしておじいちゃ
...続きを読むんも日本に帰ってきてよかったのか悩みながら生きている。
皆が本当にこの居場所が好きでいるわけではない。仕方なく、のこともあれば、何となく、のこともある。
唯人とアズはクラスから浮いているが、縄飛び大会でクラスが一つになったとき、ふたりも仲間になっていく。
小学生であれ、子ども達はシビアだ。ちょっとした違いを感じ取って軽いからかいの的にしたりする。それが高じるとイジメに繋がりかねない。
ここでは、大阪的なノリに乗りきれないことがからかいの対象にもなっている。
皆が一つになれることを子ども達は求めているのかもしれない。そういうものを用意してやるのも大人の役目かも。
中国残留邦人の話題はあまり聞かなくなっている。風化させないためには児童書にもこの話題が取り入れられることも大事かなと思った。