自閉症のことを私は知らない。
知らないので目にはいっていない。
この本を読むと、ほんとに知らなかったんだなと思う。
脳の機能が提携発達と異なる自閉症。
自閉症者みずからが、自分の生きている考えていることを共有することで、自閉症について伝えていきたいという本。
彼が好きなこと、嫌いなこと、得意なこと、
...続きを読む難しいこと。
彼自身の取説があれば、周囲はどうすればよいかがわかりやすい。
自閉症といっても、個性はさまざま。
自閉症同士はコミュニケーションを取りにくい。
とか、
感情的に話す人とは比較的うまくやれる。なぜかというと、その人が何を話しているのかをよく聞こうとするから
とか、本人の言葉を聞いていると、なるほどなと思う。
自閉症って障がいではなく、個性なんだなということが腑に落ちる。
もっとも、彼をホームスクーリングで育て寄り添ったお母さまの苦労は相当なものだったのだろうと思う。
本書では障がいとは一言も言っていない。そういう意識もないと思う。
個性が際立つ子どもたちを、社会で支えていけるシステムは日本にはあまりない。
ジョリーは奨学金を獲得し、現在は研究者として働いている。その可能性をひきだしたイギリス社会に敬意を覚える。
自閉症研究は年々進化している。
後書きにある参考文献も非常に良いリストだと思った。