1兆円規模の経済協力を巡る日韓の外交交渉の一部始終について、当時の公電や新聞記事(ほとんど日経)を中心にたどったドキュメント。
日本でいえば鈴木善幸首相から中曽根首相の時代であり、韓国でいえば全斗煥大統領の時代。日韓関係は今もなお緊張感を孕んでいるが、現在では韓流ブームという明るい側面もある。しかし
...続きを読む、わずか30年ほど前には、そのようなブームもないなか、経済協力を巡る生々しい駆け引きが行われていたわけだ。自分はまだ幼稚園や小学校低学年だったのだが、そのころ韓国についてどのような印象(所詮子どものイメージだが・・・)を持っていたのか、読みながら思い返していた。
本書は当時における一連の交渉に焦点を絞っているが、朴正熙政権時代やそれ以前の両国関係について前史として簡単にでも解説されていたほうがより理解しやすいと思った。