作品一覧

  • 信仰の現代中国:心のよりどころを求める人びとの暮らし
    5.0
    宗教と伝統行事を通して見えてくる中国社会の姿 弾圧から緩和、引き締め、そして包摂へ―毛沢東以来、共産党支配下における政治と宗教の関係は常にある種の緊張状態にある。本書は、この緊張状態の根源にあるものを掘り起こし、信仰と伝統行事のあり方を通して中国社会のもう一つの姿を描いたノンフィクションである。 物質的な欲望と拝金主義にまみれ、もはや伝統的な信仰心など消えてしまったかのように見える中国社会だが、旧暦に基づく季節の行事や古くからのしきたりが今も脈々と息づいている。いくら繁栄しても何かが足りない―その何かを求めて多くの人びとが信仰や伝統行事に目を向け実践するありさまを描くため、著者は約一年半、こうした活動に携わる家族や団体などと行動をともにしてきた。各種の行事を観察し、ときには自ら瞑想法・呼吸法の講習会に参加する。登場するのは、妙峰山の参拝客を相手に香会を営む倪家、農村で道教の儀式や占いをする李家、地方都市で地下活動を続ける牧師など、さまざまなバックグラウンドを持つ人びとである。 本書は二十四節気に沿った章立てで、季節の移り変わりとともにストーリーが立体的に展開する仕組みとなっている。海外の主要紙誌が絶賛した傑作だ。
  • 信仰の現代中国:心のよりどころを求める人びとの暮らし

    Posted by ブクログ

    上下二段組、400頁を超える分厚い本だが、面白さに引きずり込まれるようにして読み終えた。現代中国に生きる市井の人たちが仏教、道教、キリスト教の世界に豊かに、そして苦悩に満ちて生活している姿が生き生きと描かれている。
    著者は、どうやらモントリオール生まれのカナダ人で、いまはドイツに居を構えているらしい。
    で、著者がこれまで中国を訪れたときに北京、山西省、成都等で出会った人たちの宗教的生活をルポルタージュとして、やや小説風にも書いている。
    1962年生まれの著者は、同年代かそれよりも年上の人が多く、毛沢東の文化大革命を子供の時、壮年期に遭遇している人が多い。したがって、現代中国の北京や上海の都市住

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    2023年02月27日

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