ジリアン・マカリスターの本邦初訳。ジャンル的にはSFミステリ。
ハロウィンの夜、息子トッドが眼の前で見知らぬ男を刺殺してしまう。ショックを受けるジェンだったが、眠ると前日になっていた。この日以降、眠ると過去に戻るタイムリープに巻き込まれたジェンは戸惑いつつも、息子が刺した理由がわかれば元に戻れると
...続きを読む信じて原因を探し始める。
タイムリープミステリでありつつも、根っこは家族小説。息子が人を殺す原因を探す中で、親として育て方を間違えてしまったのか悩むジェン。親としての葛藤が組み込まれるだけで、単純な謎解きで終わらず家族小説としての側面が強くなり良いのだが、本作はそこだけには止まらずもう一捻りしてある。ジェンの視点の合間合間に入る、もう一人の話が一体なんなのか。判明した時の意外な展開が非常に良かった。
思った以上に遡るので、結構珍しいと思う。
細かなところもこぼさず、ラストに向けて回収してくれる。良質な作品だった。