J.L.アブー=ルゴドの作品一覧 「J.L.アブー=ルゴド」の新着作品・人気作品や、最新のユーザーレビューをお届けします! 作者をフォローする フォローするとこの作者の新刊が配信された際に、お知らせします。
ユーザーレビュー ヨーロッパ覇権以前 もうひとつの世界システム 下 J.L.アブー=ルゴド / 佐藤次高 / 斯波義信 / 高山博 / 三浦徹 続いて下巻。 まずは、エジプト、マムルーク朝下のカイロ。イスラムと商取引について、コンメンダ、貨幣と信用取引、カーリミー商人等々解説があるのだが、正直この辺りについて十分理解出来なかった。 続いてアジアの海上交易について。アラビア海、インド洋、南シナ海の3つの回路。 この辺り、ポルトガル来...続きを読む航以前のインドとアラブの交易の具体相は良く知らなかったし、まして東南アジア海峡における中国、インドとのつながりの細目などはほとんど知らなかったので、勉強になった。 最後の第11章は、「13世紀世界システムの再構成」という題で、なぜ世界システムは崩壊したのかを問う。 そもそも13世紀世界システムが存在したと言えるかどうかとの批判もあるようだが、グローバルな視点での世界の見方を教えてくれる、とても知的関心を呼び起こす書だと思う。 Posted by ブクログ ヨーロッパ覇権以前 もうひとつの世界システム 上 J.L.アブー=ルゴド / 佐藤次高 / 斯波義信 / 高山博 / 三浦徹 13世紀の「世界経済」、ヨーロッパがウォーラーステインのいう「近代世界システム」を構築しようとしていた16世紀前に世界システムがあったと、著者は言う。そしてそこには8つのサブシステムがあり、それぞれ西ヨーロッパ、中東及び東方アジアの3つの回路に組分けできるとする。 以下、それぞれの地域ごとに、...続きを読む交易の産物や参加者の商人の範囲、信用取引等の仕組み、その繁栄と衰退の様子などの具体相が叙述されていく。 第1部は、ヨーロッパ。 トロワとプロヴァン等のシャンパーニュの大市、フランドルの織物生産に関する工業/商業町、ヘントとブリュージュ、そして北西ヨーロッパを中東の商品生産地に結び付けたイタリア海港都市、ジェノヴァとヴェネツィア。 第2部は、中東。と言いつつも、まず東洋への3つのルートが紹介される。①コンスタンティノープルから中央アジアの陸地を横切る北方ルート、②地中海とインド洋をバグダード、バスラ、ペルシア湾を経由して結びつける中央ルート、③アレクサンドリアーカイロー紅海とアラビア海そしてインド洋とを結びつける南方ルートである。 まず取り上げられるのは、モンゴルと北方の道。 次に、モンゴルによるイラク、ペルシアの征服により、バグダードの衰退とペルシア湾の中心性の喪失が生じたことが説明される。 ここまでが上巻。 AというところとBというところの経済的な結び付き、交易の様相が具体的に叙述されていて、これまでバラバラには知っていたことが、世界システムの一環として全体の中に位置付けられているところが、特に印象深かった。 Posted by ブクログ ヨーロッパ覇権以前 もうひとつの世界システム 上 J.L.アブー=ルゴド / 佐藤次高 / 斯波義信 / 高山博 / 三浦徹 ヨーロッパが覇権に乗り出す13世紀までの(旧)世界のシステムについて。その時代はヨーロッパや中東といったサブシステムとそれらを繋ぐ3つの回廊によって構成されていた。 著者は中東に縁があるからか、比較的地中海の話と中東の話が手厚い印象。 Posted by ブクログ J.L.アブー=ルゴドのレビューをもっと見る