評価
・ジョンコッター先生は、組織に起こりうる変化に対して現実目線で希望を見出すような書き方をしてくれ、とてもパワーをもらった気持ちになる
感想
・この本に書いてあるようなことを、自さでも考えていきたい。
内容
人間:変革とイノベーション
力学:大きな成果を上げる企業とそうでない企業
1.変化の科学
▫ 現在
1960年ー1990年で特許は3倍、さらに30年で4倍
インターネット上にあるデータのうち90%は、2年間以内のもの(IBM)
▫ 変化の妨げ
○ 準備不足
○ 能力不足
○ 変化を嫌う
▫ 少数の英傑なマネジメントだけでは、上記の安全安心を求める大多数を変えることはできない
○ 人間の進化や変化に関する反応を活用する
○ 現代のマネジメント型の組織管理手法がなぜ限界を迎えているのか
○ 変革型リーダーがはまりやすい落とし穴
▫ 新しい変化の科学
○ 脳科学側面からの科学
§ 生存:危機と脅威を察知するレーダー➡集中力・注意力・不安と恐怖➡迅速な問題解決
§ 繁栄:機会を察知するレーダー➡視野拡大・情熱と興奮➡イノベーションとコラボレーション
○ 現代がもたらしたこと
§ 24時間365日、仕事でも私生活でも社会とつながっていることの悪影響(常に脅威がある)
§ コロナのリモートワークで、社会との遮断や、リモートによる働く時間のあいまい性
○ マネジメント手法が生まれた背景
§ 工業化が進む中で、人々が多く働くようになったさいの『安定』と『効率』を目指した(それでも、この方法は数千人単位、同じ場所を前提)
§ ミドルマネジメントによって規則や規律、標準労働が仕立て、管理されてきた
§ 今日では、前提条件が変化し、組織内の人は大きく変わる、作業内容もルールも次々に変化するため、これらが限界になっている。
§ スピードと安定の両立を目指すことが必要になっている
○ 変革を成し遂げるため
§ リーダーではなく大多数の人
§ やらなければだけではなくやりたい
§ 理性だけではなく情熱
§ マネジメントだけではなくリーダーシップ
2.加速するためのいい方法
▫ 組織文化
○ ビジネスにおいて組織文化が言葉として生まれたのは80年代以降
○ 当時、日本は組織文化について大変に着目された(製品品質が高く、会社へのロイヤリティが高い)
§ ただし、業績との相関はなかった
§ 一方で、戦略と紐づいた文化には相関があったが、強い関係ではない(戦略の良さが遠因)
§ 最近、ウーバーの問題。文化が無く、事故やモラル問題多数、退職などにつながった
○ 組織文化の変革には、『安定した環境』が大変重要になってくる
§ 人間の脳は変化に対して生存本能を発揮して守りにはいる
§ 新しい文化を救い、認めるだけでは、大多数への転換は図れない
§ 一部の集団が変化しても、上司への信頼や職場での会話、報酬や衛生が損なわれると、一気に危機的感覚に変化してしまう。
○ 大きな変革で大切にしなければならない要素
§ 何をもって変革がされているか。という文化面での成功指標
§ 成功指標のKGIと、継続的なモニタリング(業務や事業のポートフォリオ変化だけになりやすい)
○ 現代組織の文化変革で典型される失敗のプロセス
§ 上意下達のブレイクダウン
§ 方針は決まっていて動かないというやらされ感(少数精鋭のリード)
§ 業務機能ごとの縦割り
3.ニューノーマルを生き抜く