秦野裕介の作品一覧

「秦野裕介」の「神風頼み」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 神風頼み 根拠なき楽観論に支配された歴史
    3.0
    「日本は神風が吹く、神に守られた特別な国」という「神風思想」が生み出す「ニッポンすごい!」「独り善がりの排他主義」「根拠なき楽観主義」……元寇から特攻まで日本史を貫きつづけてきた「神風思想」は、太平洋戦争における敗戦という結末を迎えることとなったが、その意識自体はいまだ日本人の心に根強く生き続けている。  本書は、「神風思想」がいかに形づくられていったかを、史実に沿って検証、「神風が吹いたのは日本だけではない」「神社による立派な〈武器〉だった神風」「実は友好的だった元寇前のモンゴルの外交姿勢」「天皇制をこき下ろした天皇」「〈神の国〉ではなく〈人間本位〉を考えていた中世の政治家たち」「立憲制を念頭に置いていた大日本帝国憲法」など、日本が決して「神風思想」だけに凝り固まっていたわけではないことを示す事実を挙げながら、「神風思想」とそれに対峙する形の「撫民思想」とのせめぎ合い、そして「神風思想」の根幹をなす「根拠なき楽観」が招いた悲劇の過程を辿っていく。  歴史的論考としてはもちろん、コロナ禍、ウクライナ戦争など混迷の時代において危機をいかに克服していくべきかの指針ともなる一冊。

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  • 神風頼み 根拠なき楽観論に支配された歴史

    Posted by ブクログ

     半藤一利氏は、日本人の欠点として「当座しのぎの根拠のない楽観性と排他的同調性の二つ」があると述べたという。 
     そのような欠点こそ神風意識によって形作られたというのが著者の仮説である。そして著者は「神風思想」の特徴を3点上げる。
    1 楽観的な思想
    2 厳しい現実から目を背ける
    3 自分は特殊だと思い込む
    そして、1と2は「当座しのぎの根拠のない楽観性」に、3は排他的同調性に関わるとする。

     以下、神風思想の元となったのが元寇における神社と武士の手柄争いの産物であったこと、神々への恩賞としての神社向けの徳政令=神領興行法について、足利義持の父義満時の対中国外交の方針変更に伴う永楽帝との交渉(

    0
    2022年09月20日

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