「40代は最高に楽しい」という著者の持論のもと、なぜ40代は楽しいのか、最高の40代を迎えるために20代30代をどう生きれば良いか、著者の経験談も踏まえて説かれた自己啓発本。
■本書の構成
本書によると、著者は20〜30代にブラック企業で心身を消耗し、42歳で人生の心身・金銭のどん底を迎えたことを機にパラレルキャリアを目指すようになりました。
その後、見事人生の好転を成功させ、本書著作時(45歳)においては順風満帆な公私を送っておられるようです。
本書は、そんな著者の人生の好転を振り返った成功のメソッドが記載されています。
奇をてらったものはなく、自己啓発本においては比較的王道なメソッドが記述されていますが、特筆すべき点は「人生は40代で花開く」という軸に基づいて記述されている点。
「明日から」「今すぐ」ではなく、充実した40代を迎えるために、これから何を心がけるべきかという視点で書かれている点は少しユニークでした。
■こんな人にオススメ
・30代で仕事で追い込まれている方
・40代でこれからを見つめ直したい方
■私が思う本書のダイジェスト
(1)不惑とは40歳のこと
20〜30代は人生の研修期間。
毎日もやもやして苦しんでいたとしても、コツコツ一歩ずつ進んでいけば、ある時突然惑わなくなる。
人生において習得すべき事柄をようやく一通り覚えきり、研修期間が終わるタイミングがくる。
不惑の40歳を迎えると、心に余裕ができて一気に楽しくなる。
(2)40代とは人生の本編
精神的にも体力的にも充実しているのが40代。
人生の仕組みや全貌が見えてきたことで、思い切った舵取りができるようになる。
変に大きな夢を持つのではなく、等身大の自分を把握した楽しみ方や挑戦ができるようになる。
一方、疲れている40代というのも沢山存在する。
その分かれ目は、ちょっとした差である。
それは「止まるか、進むか。」
思考停止状態で過ごさない、惰性ではなく自ら舵をとっていく。それだけで、人生の本編40代は最高に楽しくなる。
(3)80%でこなす
何事も80%でこなすことを意識し、常に20%の余裕を持っておく。
そうすることで、イレギュラーにも対応できるし、イレギュラーが起こらなければ時間が余る。
そうすれば心の余裕ができて自己肯定感も高まる。
(4)迷ったら進む/「やる」癖を身につける
前に進むか、そうしないか迷った時は必ず進む。
「迷っている」ということは「進む」という選択肢を持っているということ。
そうであれば、迷う時間がもったいないので前に進むべき。
前に進んだ分だけ、挑戦回数が増えているということ。それにより経験値は増える。
その時成功しようが失敗しようが、その経験は必ずプラスになる。数をこなせば慣れてきて、そして改善できるようになる。
そうなれば成功の確率はぐっと上がる。
(5)完璧じゃないことを許す
40代になると、ほどほどの良さがわかるようになる。
完璧を求めすぎると相手にもそれを求めるようになる。本質的ではないことでも足りていないことが気になるようになりギスギスする。
無駄な完璧思考を捨て、ミスもほどほどに許し合える方が結果的に生産性が高まり、楽しく軽やかになる。
(6)3つの余裕を手に入れる
・時間の余裕
・お金の余裕
・心の余裕
まずは時間の余裕を作ることに邁進する。
時間の余裕ができれば、その時間を使ってお金の余裕を作る。(副業など)
お金の余裕ができれば、気がつくと心の余裕ができてくる。
まずは時間の余裕を作ること!
(7)理屈だけでなく気持ちを汲み取る
「理屈」意外にも「気持ち」も存在しているということを念頭に置くだけで全然違う。
理屈では納得できないことがあっても、気持ちなんだろうな、と折れる心の余裕が出てくる。
人に優しくなれる。
(8)3割しか伝わらない
自分の頭の中にある情報は、3割しか伝わらないと思っておく。
伝わらないことが前提になると工夫をするようになるし、全部伝わらなくても問題が発生しないように手を打つようになる。
(9)疲れない工夫
40代になると衰えてくるし、疲労回復にも時間がかかる。
だから、疲れない工夫をすべき。
暴飲暴食をしない、夜遅くまで仕事をしない、同時に色々なことをしない、、、
つまり無理をしないということ。
(10)40代からは身体にも投資
体づくりに時間をかけるべき。
時間がないのではなく、優先順位を上げるべき。
(11)人に会う
今の自分は、今まで会ってきた人たちの「平均値」で出来ている。
収入、センス、頭の良さ、仕事の出来、趣味趣向、全て平均値でできている。
だからこそ、会いたいと思う人に会って、今の自分の想像を超えていくことが重要。
すごい人だと気後れせずに、アプローチした方が良い。
■最後に
気をてらわない、読みやすい一冊。
新たな発見というよりも、「そうだよね」と再認識して自省する、そんな一冊でした。
カバンの中に忍ばせておいて、隙間時間に読むくらいでも十分楽しめると思います。
ぜひ読んでみては。