七歳になったばかりの少女が、沖縄戦争に巻き込まれ、逃げる途中ですぐ上の兄が流れ弾に当り死亡する。二人の姉とも別れ別れになり、一人で逃げることになった。
その間、いくつもの死体を見ただろう。感覚の麻痺していくさまが苦しくなる。
最後の最後、ガマで出会った老夫婦から命を大切にしろと諭され、老人の褌の前
...続きを読む垂れを切り裂き、三角にしたものを枝にくくりつけた。それを高く掲げて歩けと強く言い、少女・富子を外に出す。
終戦を迎え、投降するように呼び掛けがあったのを、老人が知ったからだ。
老人の教えの通り、富子は白旗を掲げて堂々と歩いた。そして、別れ別れになった二人の姉とも再会した。
後に、富子は白旗を掲げた姿をアメリカ軍に付いて行ったカメラマンに撮影されて、写真を公開された。そのカメラマンを探したら、関係者と会うことができたと言う。
実話であり、沖縄の戦場がいかにひどいものか、伝えるものだと思う。