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4.21巻1,039円 (税込)第28回小学館ノンフィクション大賞受賞作。 日本有数のドヤ街として知られる東京・山谷。 この地で2002年に民間ホスピス「きぼうのいえ」を創設した山本雅基氏と妻・美恵さんは、映画『おとうと』(山田洋次監督)のモデルとなり、NHK『プロフェッショナル』で特集されるなど「理想のケア」の体現者として注目を集めた。 ところが、現在の「きぼうのいえ」に山本夫妻の姿はない。 山本氏は施設長を解任され、山谷で介護を受け、生活保護を受給しながら暮らす。美恵さんは『プロフェッショナル』放送翌日に姿を消し、行方が分からないという。 山本氏は、なぜ介護を担う立場から受ける立場になったのか。 なぜ美恵さんは出て行ってしまったのか。 山本氏の半生を追う中で、山谷という街の変容と、特殊なケアシステムの本質を見つめた、第28回小学館ノンフィクション大賞受賞作。 選考委員絶賛! ●星野博美氏――「助ける側と助けられる側の境界線が曖昧な、山谷の特異な寛容性を見事に描ききった」 ●白石和彌氏――「人間を見つめるとは、どういうことか改めて勉強になりました」 ●辻村深月氏――「ユーモアを交えつつも、何かや誰かを否定するスタンスを決して取らないのが素晴らしい」
ユーザーレビュー
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Posted by ブクログ
東京のドヤ街・山谷をテーマにしたルポ。お目にかかったことのある方々がけっこう
出てくる。
狂言回し的な人物は、かつてホームレスや行き場所・居場所のない人のためのホスピ
スとして「きぼうのいえ」を立ち上げ施設長を務めていた山本雅基さん。その山本さ
んが、いまでは統合失調症をかかえ生活保護を受け、山谷のアパートでケアを受けな
がら暮らしているというドラマチックな幕開け。雅基さんの志ひとつと妻・美恵さん
の支え、二人の出会いのケミストリーでできたような「きぼうのいえ」だが、美恵さ
んは出奔し、もともと不安定ぎみだった精神面に拍車がかかったこともあって、雅基
さんは「きぼうのいえ」の要職を外れいまに至