【幸運にも私は紛争が始まった一九七八年の軍事クーデターを間近に見、二〇〇一年のカルザイ政権樹立にも関わることができた。そのため、ここに描いた平和を勝ち取るために奮闘した人びとを知ることとなった。アフガン紛争はすでに四十数年の長きにわたっている。残された者たちによる平和への戦いは今も続いている。未だそ
...続きを読むの戦略は成功していない】(文中より引用)
カブールに留学して以降、一貫してアフガニスタンに携わり続けた著者が、自身の経験と合わせてアフガニスタンの現代史を振り返った作品。著者は、現地のダリー語を身につけ、アフガニスタン大使としても尽力した髙橋博史。
職業柄、割と(元)外交官が著した作品というのはよく読む方だと思うのですが、その中でも随一と言って良いほどに内容の濃い一冊でした。アフガニスタンの社会システムが戦争や内戦を経てどのように引き裂かれてしまったか、そしてその影響がどういった形で現れてくるかを考える上で、非常に有益な読書体験をさせてもらいました。
これは名著☆5つ