作品一覧

  • オオカミの知恵と愛 ソートゥース・パックと暮らしたかけがえのない日々
    4.0
    1991年から6年間にわたり、米国アイダホ州で、オオカミの群れがくらすエリアにテント建てて寝起きし、観察をつづけた夫妻による記録。2人の記録はありのままのオオカミの姿を捉え、オオカミへの憎悪を生んだ根強い誤解を払拭し、全米の世論を動かすまでに至った。 本書では6年のあいだに2人が目にした行動や事件について、ときに他の研究事例を参照しつつ、温かな眼差しで綴られる。 各章ごとに、オオカミが仲間を思いやる心、チームワーク、遊び、他者への敬意、好奇心、群れの文化、弱者への慈しみなどについて、ソートゥース・パックや他の群れのエピソードを挙げて軽快に語っていく。 アルファのカモッツとチェムクをはじめ、ソートゥース・パックを構成するオオカミのキャラクターはみな魅力的で、まるで隣でオオカミたちがじゃれあっているような気分になるだろう。
  • オオカミの知恵と愛 ソートゥース・パックと暮らしたかけがえのない日々

    Posted by ブクログ

    あなた、よくオオカミの本を読んでいるけど、なんでそんなにオオカミが好きなの?ときかれた。
     
     はて? 
     改めてきかれると、自分でも何で?と思う。

     シートン動物記の『狼王ロボ』や、ジャック・ロンドンの『白い牙』や『野生の呼び声』、熊谷達也の『漂泊の牙』など狼を題材にした小説はどれも面白い。「大口眞神」のお札で有名な秩父の狼信仰について書かれた『オオカミの護符』という本は、日本人が狼をどのように考えてきたかがわかってとても興味深い。
     
     でも、これらの本に出てくるのが、狼だったり、オオカミ犬だったり、イヌだったりで、それぞれの違いが曖昧。ニホンオオカミもヤマイヌと呼ばれて、ごっちゃにされ

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    2022年04月26日
  • オオカミの知恵と愛 ソートゥース・パックと暮らしたかけがえのない日々

    Posted by ブクログ

     この本を読み終えたらオオカミが愛おしくなった。特に最後の頁に掲載されている写真は必見です。オオカミはイヌの先祖で共通点も多いことを忘れてはいけないと思った。

     西洋ではオオカミは、「赤ずきん」や「三匹のこぶた」に登場する狡猾で残忍な生き物と思われてきた。そして家畜を襲う害獣とみなしてきた。逆に日本では大神としてあがめられていたところもある。

     本書の作者のジム& ジェイミー・ダッチャー夫妻は1990 年から6 年にわたり、米国アイダホ州ソートゥース山脈の麓でオオカミを移植し、その群れに囲まれてテント生活を送り、めったに人の目に触れることのない彼らの社会生活を観察して記録に残した。

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    2023年12月06日
  • オオカミの知恵と愛 ソートゥース・パックと暮らしたかけがえのない日々

    Posted by ブクログ

    オオカミの群れが暮らすエリアで生活し、観察をつづけた夫妻によるノンフィクション。

    本書に描かれるオオカミの特徴は社会性である。動物の群れのリーダーは猿山の猿のように弱肉強食の支配者のイメージがあるが、本書のスタンスは異なる。リーダーの資質に攻撃性は無関係である。群れ全体の幸福を引き受けることは自分という意識を有している(74頁)。この通りならば支配と搾取の人間社会よりも進んでいる。

    一匹オオカミという言葉がある。本書は実際のオオカミの生態では一匹オオカミは一時的な現象であり、一匹オオカミは群れに属することを求めていると指摘する。本書は一匹オオカミを「単独で危害を加える悪者」というネガティブ

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    2022年04月13日
  • オオカミの知恵と愛 ソートゥース・パックと暮らしたかけがえのない日々

    Posted by ブクログ

    米国アイダホ州で、おおかみの群れを観察した夫妻の5年間の記録。おおかみの写真やドキュメンタリー番組で著名な夫妻がおおかみたちに向ける眼差しは、優しく畏敬の念があふれている。
    最後のページの著者とおおかみのハイタッチの写真が、おおかみたちと著者との信頼関係をよく表している。

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    2022年07月27日

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