ユーザーレビュー 異常【アノマリー】 エルヴェルテリエ / 加藤かおり カテコライズに悩んだであろう小説、しかし本来小説というものは全てがそうであって欲しい気もする。出版は早川さんですかそうですか。 序盤は群像劇かと思いきや、展開もラストも思わぬ方向へ。様々な人物が登場するが、それはそこに読者である「私」を想定できるようにする仕掛けだと感じる。私が現在過ごしているこの世...続きを読む界も、この私も、しかしたらそうではないのか…と思わせた時点でこの小説は成功していると思う。 Posted by ブクログ 異常【アノマリー】 エルヴェルテリエ / 加藤かおり とんでもない本を読んでしまったという気持ちです。SFなのかホラーなのかサスペンスなのか・・・。 中盤までひたすら登場人物の姿を一人づつ描き続けているので、まだ本題に入らないのかよと思いましたが、その冗長とも思える骨格作りがこの本にさらに厚みを与えています。 そして中盤以降の怒涛の展開で完全にやられて...続きを読むしまいました。もしかして僕らの暮らしている世界って・・・。と色々現実を勘繰りたくなるような本です。 読んだ人と議論したくなる本です。 Posted by ブクログ 異常【アノマリー】 エルヴェルテリエ / 加藤かおり 最初は群像か。けどこんなに話題になるってことはコイツが、と思ってたがびっくり。第一部の終わりにとんでもないことになり、そのあとずっとピーク。最高に良かったけど、2,3日で読み切ってしまうのと、登場人物ごとに印象や状況をメモしながら読んだ方がいい。もし僕のダブルがいたらそう忠告しますね。 Posted by ブクログ 異常【アノマリー】 エルヴェルテリエ / 加藤かおり 現代のテクロノロジーの発展が可能たらしめることもありうるような現象について、人間が科学的、倫理的、宗教的、社会的な面から考察しながら、それぞれの当事者の背景に想いを馳せながら「わたしがわたしとして生きる」あり方を模索する小説。 作者の教養と博識ぶりには舌を巻くばかりだ。 自分としては、当該飛行機で起...続きを読むきたことが超高速演算によって実際に起こりうることであろうし、もはや人間と知能と意識の明確な定義がどうなるのか曖昧な状態に陥ることで引き起こされる社会の混乱もまた予想されるものである以上、我々はどのように対処すべきなのか深く考えなければならないのでは?と思った。 Posted by ブクログ 異常【アノマリー】 エルヴェルテリエ / 加藤かおり 6月、パリ発ニューヨーク行きのエールフランス006便が嵐に巻き込まれる。ようやく脱して着陸しようとしたその機体は、3月に着陸したものと全く一緒、乗員乗客も全て一緒。つまり完全なコピーが現れたということ。この機体や乗客の取り扱いをめぐって、米国、仏国政府を始め、乗客の母国、諜報組織、軍、宗教組織などが...続きを読む暗躍し、3月に着陸した乗客と6月に着陸した乗客(同一人物)が翻弄される。この3ヶ月の間に別れてしまったカップル、癌が発覚したパイロット、自殺した作家、殺し屋、母が二人になった息子など。今までにないストーリーだし、安易な結末にしていないのも秀逸。 Posted by ブクログ エルヴェルテリエのレビューをもっと見る