作品一覧

  • ヤマケイ文庫 極北の動物誌
    4.7
    1巻990円 (税込)
    星野道夫が「名作」と呼んだ幻の古典。 この本全体に流れている極北の匂いに、どれだけアラスカの自然への憧れを掻き立てられただろう/星野道夫 カリブー、ムース、オオカミらが危ういバランスの上で織りなす極寒の地の生態系――。 『沈黙の春』が人類による自然破壊に警鐘を鳴らした1960年代初め、 アラスカの大地を核実験場開発の脅威から守り抜き、そのため故国アメリカを追われた動物学者がいた。 彼の名はウィリアム・プルーイット。極北の大自然と生命の営みを、詩情あふれる筆致で描き、 写真家の星野道夫が遺作『ノーザンライツ』のなかで、敬意をこめて 「アラスカの自然を詩のように書き上げた名作」と評した幻の古典を文庫化。 気候危機と生物多様性の危機が差し迫るなか、人の営みと自然の営みの共存を問いかける本書は、 「エコロジーとは何か」を知るための入門書であり、今を生きる全ての人へのギフトだ。 ■内容 刊行によせて 星野直子 プロローグ 旅をする木 タイガの番人 ハタネズミの世界 ノウサギの世界 待ち伏せの名手 狩りの王者 カリブーの一年 ムースの一年 ムースの民 生命は続く ホームステッド にわか景気 未来の展望 謝辞 エピローグ―一九八八年版あとがき 訳者あとがき 文庫化によせて 大竹英洋 ■著者について ウィリアム・プルーイット(1922-2009) 動物学者。アメリカのメリーランド州生まれ。 アラスカにおけるアメリカの核実験場開発計画「プロジェクト・チャリオット」を 環境調査によって阻止し、そのためアメリカを追われることになった。 その詳細は星野道夫著『ノーザンライツ』に記されている。 カナダに移住後は、マニトバ大学動物学研究室教授。 タイガ生物学研究所を設立。極寒地における野生生物の研究を続け、カナダ科学アカデミー最優秀賞などを受賞。 93年、アラスカ州政府より正式の謝罪を受け、名誉回復。アラスカ大学名誉博士となる。
  • ヤマケイ文庫 極北の動物誌

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    ネタバレ

    私も、星野道夫の愛読書ときいててにとったひとりである。トウヒ、アカリス、ハタネズミ。ノウサギ、オオヤマネコ、オオカミ、カリブー、ムース、ムースの民。極北独特の生態系を、緻密な眼で観察しつづけた結果のーー研究者である著者のまさにその集大成が、生き生きと描き出されてある。いきものたちのやりとりであるから、どきりとするようなシーンももちろんある。ネズミがイタチに頭をかみ砕かれるとか。けれどそれはいきものの、極北という環境に合わせて培われた生き方で。さらに、その草木たち雪たちと途方もないときを共存してきたかれらに対し、南部の侵入者たちが行った破壊にくらべられるような蛮行ではありえない。
    著者は核開発実

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    2022年03月26日
  • ヤマケイ文庫 極北の動物誌

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    星野道夫の愛読書だったと知り読んでみた。
    第1章「旅をする木」は星野道夫のエッセイのタイトルにもなっている。
    一粒のトウヒの種子が大木となり氷や川にもまれながら長い年月をかけて朽ちるまでを描いた物語は、極北の壮大な自然やゆっくり流れている時間の流れを感じさせる。


    ハタネズミ、オオカミ、ムース、ノウサギ、オオヤマネコ、カリブーなどの極北の動物たちが登場する。
    それぞれの物語は動物の目線から描かれており、動物学者ならではの綿密な観察に裏付けられた、動物たちの描写が新鮮で面白い。
    寒い冬に雪の中でぬくぬく過ごす時間、嗅覚や聴力を働かせて察知する危険、生きるために獲物を狙う緊張感、繁殖の時期には雄

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    2022年03月25日
  • ヤマケイ文庫 極北の動物誌

    Posted by ブクログ

    "Animals of the North" by William O. Pruitt. Jr. 1960
    岩本正恵・訳
    しみじみと読める、良い本です。
    日本語訳の文庫で発売されたので、入手。
    以前テキストで使ったことがあるけど、そんなにメジャーな本でもなかった記憶が。
    とても簡単で初級クラスのテキストで使えます。その上に、わからん単語もちゃんと出てきてくれるので、わからない言葉を前後で意味を類推する練習にもとても良い。
    ともかく、本書、1960年代の書ではあるので、一昔前の文学ではあるので、若い子には古臭い文体かもしれんが、帯の煽りで古典というには新しすぎるかねぇ。
    アラ

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    2022年02月22日

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