作品一覧

  • デカルトはそんなこと言ってない
    3.7
    1巻1,980円 (税込)
    我思う、故に我在り〉はかくも誤解されてきた! 「〈我思う、故に我在り〉は大発見」「人間の身体は単なる機械」「動物には何をしたっていい」……ぜんぶ誤解だった! 世界的権威が21の「誤解」を提示、デカルトにかけられた嫌疑をひとつひとつ晴らしていく。 「近代哲学の父」「合理主義哲学の祖」などと持ち上げられながら、その実デカルトほど誤解されている哲学者はいない。それでよいのか? 見かねて立ち上がったデカルト研究の世界的権威が、私たちの誤解に逐一反駁を加えながら、デカルト本来の鋭く豊かな思考を再構成する。デカルトが言ってたのはこういうことだったのか! 硬直したデカルト像を一変させるスリリングな哲学入門。 目次 凡例 日本語版への序文 はじめに 1.学校で教わることはどれも役に立たない 2.感覚は私たちを欺く 3.明晰判明でなければ決して真ではない 4.方法の規則は少ししかない 5.神はやろうとすれば3+2=4にできる 6.「私は考える、だから私は在る」というのは大発見である 7.人間の魂は、自分に対して透き通るように立ち現れてくる純粋な思考のことだ 8.人間の精神は、思考するのに身体を必要としない 9.人間の精神は、独り観念を介さなければ何も認識しない 10.人間の意志は無限である 11.人間は、自然の主人にして所有者になるべきだ 12.物質は延長に他ならない、すなわち空間である 13.自然学に経験や実験は不要である 14.人体は、純然たる機械である 15.私たちの魂は、身体を動かすための力を持っている 16.私たちは動物に何をしたって構わない 17.理性は、情動なしで済ませられる 18.私たちの実践上の判断はどれも不確実だ 19.完璧な道徳は手に入らない 20.高邁とは、自由の情念のことだ 21.政治は君主に任せておくべきだ 弁明――簡潔に、対話篇のスタイルで デカルト主要年譜 訳者後書き 人名索引
  • デカルトはそんなこと言ってない

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    デカルト研究者の大家(翻訳者の師匠)における、デカルト「入門書」。

    入門書とは紹介されているけれども、デカルト一般として流布している「心身二元論」や「コギト・エルゴ・スム」などの前提知識がないと厳しい内容かな。その常識を矯正するという試みが本書の論旨となっているので、中級者向けといった印象。

    デカルトの理性至上主義で冷徹な印象がなんとなくあったけど、本書を通して「情念」や「身体」といった面にも重点を置いていたのではという主張には目を見張るものがある。上澄みだけをくみ取って知った気でいることの浅はかさと危うさを学問によって突き付けてくれる心地よさを感じる。

    とはいってもデカルトの一般的な概

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    2023年06月11日
  • デカルトはそんなこと言ってない

    Posted by ブクログ

     2021年8月に初めて「方法序説」を読み、「ひょっとしたら、近年最もネガティブな評価の与えられている哲学者の一人ではないかと思っている」などとここで書いたら、偶然にも次月にこのような訳書が出版されていた。「物事が真たりえる基準」それ自体を深く検討したほとんど唯一の哲学者デカルトは、明晰さと判明さを重んじ自らの原理を絞り込んだために、後世の読者の間にその思想はシンプルな言説で要約可能だという誤解をもたらした。現代におけるデカルト研究の第一人者である著者は、本書で21の典型的なデカルト解釈を例示し、直接の一次資料を引用しながら、その要約的な言い換えやクリシェに含まれるノイズを取り除いてゆく。

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    2022年01月02日
  • デカルトはそんなこと言ってない

    Posted by ブクログ

    表紙はかわいらしいし、タイトルもとっつきやすそうだが、内容はむずかしめ。
    デカルトのイメージ的解釈からデカルトの書いてあることの著者なりの解釈をする、という順序であるので、余計にややこしいのかもしれない。哲学書の翻訳はむずかしいが、それもあるかも。

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    2022年12月22日

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