5-6世紀の古墳時代の歴史を資料の分析から読み解いた本。允恭天皇系と仁徳天皇系が血を血で争う抗争を続ける中で、葛城・紀・吉備が海人と連携し、渡来人を招聘し、海外交易を独占する形でそれに対峙する構造を読み解いた。それが雄略天皇時代に征伐され、朝鮮半島での危機と相まって継体天皇時代に中央集権化が強まったとしている。倭の五王の比定がどうなるのか、倭がどうして日本になるのかなど不明点は多いが、一定の説明にはなっていると思った。但し、新書にしては専門的すぎる部分もあり、読み進めるのに苦労した。邪馬台国から倭国への空白もだれか読み解いてほしい。