アントニオ・スクラーティの作品一覧
「アントニオ・スクラーティ」の「小説ムッソリーニ 世紀の落とし子」「小説ムッソリーニ 世紀の落とし子 上下合本版」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
ファシズムの成立をムッソリーニを中心として描いた作品(「ファシズムの成立」ということ場自体が曖昧だが)。
第一次大戦後の1919-1924を舞台としている。小説としては登場人物と舞台/情景を短い節で描くことを繰り作りになっているので、瞬間瞬間の熱量を強く感じる。正直、本書を読んでファシズムの成立から政権奪取までをよんでも「ファシズムとは何か」がわかるのは難しい。ただし、少なくとも暴力性がその根本にあることだけは確かだ。また、今のイタリア議会に通じるのかもしれないが、ファシズム政権成立の過程は、民主主義の脆弱性を改めて考えさせられる。元祖ファシズムを学ぶにも、ムッソリーニについて学ぶにも、この時
Posted by ブクログ
<上下巻合わせての評です>
これは、戦後イタリアではじめて真正面からファシズムを描いた小説である。では、今までなぜそれができなかったのか。それは、偏にムッソリーニという人物のキャラクターにある。ある種の能力に恵まれてはいても、等身大の彼はどこにでもいるイタリアの大衆の一人に過ぎない。こんな人間を真正面から取り上げれば、いくら反ファシズムの思いで書かれたとしても、読者がムッソリーニに、ひいてはファシズムの荒々しい魅力に魅了される危険性がある。現にこの小説が評判になると、そういう批判が起きたという。
ベニート・ムッソリーニが、戦闘ファッショを立ち上げ、ファシスト党独裁政権を樹立するまでを描く全