作品一覧

  • 小説ムッソリーニ 世紀の落とし子 下

    Posted by ブクログ

    ファシズムの成立をムッソリーニを中心として描いた作品(「ファシズムの成立」ということ場自体が曖昧だが)。
    第一次大戦後の1919-1924を舞台としている。小説としては登場人物と舞台/情景を短い節で描くことを繰り作りになっているので、瞬間瞬間の熱量を強く感じる。正直、本書を読んでファシズムの成立から政権奪取までをよんでも「ファシズムとは何か」がわかるのは難しい。ただし、少なくとも暴力性がその根本にあることだけは確かだ。また、今のイタリア議会に通じるのかもしれないが、ファシズム政権成立の過程は、民主主義の脆弱性を改めて考えさせられる。元祖ファシズムを学ぶにも、ムッソリーニについて学ぶにも、この時

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    2022年08月04日
  • 小説ムッソリーニ 世紀の落とし子 下

    Posted by ブクログ

    そもそもヒットラーに比べて影薄いムッソリーニやけど、先駆者はこっちなのよね。むしろヒットラーの方が少なくとも最初は格下やったわけで。
    で、1924年までの、ヒットラーが台頭する前のムッソリーニとなるとローマ進軍をピークとする権力獲得までの話がオモロいのかと思ったら、意外や意外、権力の座についた後の味方に足を引っ張られながらもがくところが良い。「本当にこわいのは有能な敵より無能な味方」ってヤツ。
    4部作らしいんで次作あたりでヒットラーが出て来て、その次で逆転して、最後でシチリア上陸からミラノで愛人と吊られるくらい?

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    2021年12月28日
  • 小説ムッソリーニ 世紀の落とし子 上

    Posted by ブクログ

    <上下巻合わせての評です>

    これは、戦後イタリアではじめて真正面からファシズムを描いた小説である。では、今までなぜそれができなかったのか。それは、偏にムッソリーニという人物のキャラクターにある。ある種の能力に恵まれてはいても、等身大の彼はどこにでもいるイタリアの大衆の一人に過ぎない。こんな人間を真正面から取り上げれば、いくら反ファシズムの思いで書かれたとしても、読者がムッソリーニに、ひいてはファシズムの荒々しい魅力に魅了される危険性がある。現にこの小説が評判になると、そういう批判が起きたという。

    ベニート・ムッソリーニが、戦闘ファッショを立ち上げ、ファシスト党独裁政権を樹立するまでを描く全

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    2021年09月25日

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