作品一覧

  • 近現代中国と読書の政治 読書規範の論争史
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    1巻5,720円 (税込)
    人々は読書という行為にいかなる期待を込め、そしてその期待はいかなる社会的背景で形作られたのか。1930年代、1980年代の中国を対象に「いかに読むか」に対する論争を歴史的に分析する本書は、過去からつながる現在の中国を理解するとともに、これからの読書を考えるものである。 【主要目次】 序章 焚書の政治から読書の政治へ――書物をめぐるシンボリズム 第1章 上海の「グーテンベルクの銀河系」――先行研究・視座・時期設定 第2章 消費する読者への交錯する期待――読書雑誌とその機能 第3章 民族を引き上げる読書――国民党の文化運動 第4章 行動のための読者――左翼にとっての抗戦 第5章 革命的な読書――連続性のなかの毛沢東時代 第6章 読書熱の両義性――ポスト文革へのあゆみ 第7章 未完の「八十年代」――『読書』時代の終焉 終章 読書の政治学
  • チャイニーズ・タイプライター 漢字と技術の近代史
    3.0
    本書の主軸をなすのは、西洋のラテン・アルファベットを基にして作られた「近代」の象徴としてのタイプライターと、中国語との間にある距離感である。その隔たりゆえに中国語そのものに「問題」があるとみなされ、それを克服するための「パズル」が形作られることになる。常に西洋の「本物」のタイプライターを意識しつつ、この「パズル」を解こうとしていく人々の群像を描いていくなかで、漢字についての発想の転換や戦時中の日中関係、入力や予測変換といった現在につながる技術の起源に至るまで、さまざまな話題が展開されている。タイプライターというモノを起点としつつ、それの単なる発明史をはるかに超える射程を持った本であり、関心や専門を問わず広く読まれるべき一冊である。 目次 謝辞 序論そこにアルファベットはない 第1章近代との不適合 第2章中国語のパズル化 第3章ラディカル・マシン 第4章キーのないタイプライターをどう呼ぶか? 第5章漢字圏の支配 第6章QWERTYは死せり!QWERTY万歳! 第7章タイピングの反乱 結論中国語コンピューターの歴史と入力の時代へ 訳者解説 注 索引
  • チャイニーズ・タイプライター 漢字と技術の近代史

    Posted by ブクログ

    とっても真面目な技術の発展史。
    興味のあるところだけ拾い読みしました。
    それでもじゅうぶん楽しかったけど。

    一文字ずつ印字するタイプライターは
    表意文字である漢字には対応できない。
    それを可能にするべく考えだした
    先駆者たちの発想と技術がすごい!
    やがてパソコンへと応用され
    こうして漢字文化圏の人間も
    気軽に機械で文字を打てるのね(^_^)
    ありがたや。

    実物写真も掲載されていますが
    でっかい円盤みたいなやつ
    (回転させて任意の文字を印字する)
    偏と旁を別々に印字するやつなど。
    うまく言えないけど…
    ドット絵みたいにして打つのもあったわ。

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    2023年04月20日
  • チャイニーズ・タイプライター 漢字と技術の近代史

    Posted by ブクログ

     日本語は、ひらがな+カタカナ+漢字の表音文字と表意文字の組み合わせだ。
     読み慣れていないせいだが、英語の文章のアルファベットが並んでいるのを見ていると、ぱっと見で文全体の意味を把握できない。
     日本語だと、漢字をつまみ取れば、ひと目で何となく文意を探ることができる。
     アルファベットを採用している英語の方が簡単だから、世界共通語足りえるのは当然なのだが。

     さて、本書は表意文字しか持たない中国語のタイプライター開発史である。
     タイプライターはキーボードに記されたアルファベットをクリックすると、そのアルファベットが紙に印字される。
     ところが、中国語の漢字の総数は膨大すぎて、中国語タイプ

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    2021年08月09日

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