作品一覧

  • 失われたいくつかの物の目録
    3.8
    1巻3,190円 (税込)
    解体された東ドイツの宮殿、絶滅種のトラ、太平洋に沈んだ島、老いたグレタ・ガルボ……自然や芸術作品が雄弁に語り始める。テキストと、ダークな線画(カラーデバイスでの閲覧推奨)が織りなす夢の目録。第七回日本翻訳大賞受賞。
  • 失われたいくつかの物の目録

    Posted by ブクログ

    目録となっているが、12篇の短篇集のようでもある。
    今はない物への偏愛、憧憬と幻視による物へのオマージュ。論文調だったり、小説のようだったり、日記のようなものまであって一つ一つが面白い。
    カスピトラがローマの見世物になったりフリードリヒのグライスヴァルト港の絵がリク川の源泉を辿る旅仕立てになったりして想像の行くところがいい。
    そして何より本としての佇まい、章ごとの仕切りの美しさ、ため息が出ました。

    0
    2023年03月17日
  • 失われたいくつかの物の目録

    Posted by ブクログ

    地図から消えた島、絶滅した生きもの、散佚した古代の詩、燃やされた聖典……。歴史上たしかに存在していながら今は消えてしまった、あるいは存在しないことが明らかになってしまったゆえに忘れ去られてしまった物たちに捧げる、黒と金のレクイエム。


    墓石、それともモノリスのような佇まいのハードカバーを開くと、各章ごとが濃い藍色のページで区切られ、そこに鈍金色で刷られた章のモチーフがうっすらと浮かびあがる。それは今はない島が載った海図だったり、一角獣の骨格だったり、廃墟と化した貴族の屋敷の在りし日の姿だったりする。
    ドイツでブックデザインの賞を獲ったというのが納得の、一目で惹かれる存在感。中身はまた私好みの

    0
    2020年12月31日
  • 失われたいくつかの物の目録

    Posted by ブクログ

    読者を選ぶ本。博物学や、内容紹介で挙げられているモチーフに惹かれた人には面白いかもしれない。でも文体も話ごとにバラバラでどうしても苦手な文体もあったし、基本的に教養が高い人じゃないと単語がいちいちわからず調べたりするはめになる。きりがないのでわからないまま読み飛ばしたりしたけれど、本当は全部わかっていないと話の奥深さが理解できないんだろうなあ、と思う。わかるものについては、知的好奇心を刺激されてすごく面白かった。著者の博学と美意識の高さに感嘆した。

    0
    2020年09月04日
  • 失われたいくつかの物の目録

    Posted by ブクログ

    文章と装丁によって創り上げた「本」という空間、その著者の
    ヴィンダーカマー(博物陳列室)に収められた十二の物語。
    ・はじめに  ・緒言
    ・ツアナキ島・・・失われた島への夢想と島を求める冒険家たち。
    ・カスピトラ・・・古代ローマのコロッセオ。死せる運命にも
           本能を露わにする、絶滅したトラの生き様。
    ・ゲーリケの一角獣・・・山岳地帯で執筆する数日間のエッセイ。
    ・サケッティ邸・・・廃墟画家たちと描いた廃墟の運命。
    ・青衣の少年・・・グレタ・ガルボの漂っているような散歩での独白。
       映画「青衣の少年」は「吸血鬼ノスフェラトゥ」の監督の
       ムルナウの第一作目。失われた映画にガルボ

    0
    2020年07月27日
  • 失われたいくつかの物の目録

    Posted by ブクログ

    題名で読むことを決めたので、どういう内容かは全く把握しないまま読み始めた。
    失われてしまったもの12個に関する話を短編小説のような形で書いたもので、翻訳ということもあって正直読み進めにくかった。
    お気に入りは、森の百科事典と共和国宮殿。

    0
    2024年03月10日

新規会員限定 70%OFFクーポンプレゼント!