木下武男の作品一覧
「木下武男」の「最低賃金1500円がつくる仕事と暮らし 「雇用崩壊」を乗り越える」「POSSE」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「木下武男」の「最低賃金1500円がつくる仕事と暮らし 「雇用崩壊」を乗り越える」「POSSE」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
書名の通り「労働組合とは何か」について、歴史の丁寧な記述と分析を交えて説明し、現代日本への提言で締める本である。
歴史の記述は、前近代の西洋の労働者の生活の解説から始まる。正直なところ最初は冗長に感じたが、本書を読み終えた後に振り返れば、労働者の組織運動の発展のあり方を解説し、前時代的な日本の労働環境を批判する上で必要な記述であったことがわかる。
そして舞台は近現代に移る。欧州のユニオニズムの発展と、弾圧を目的に生まれた会社組合を経て育った米国のユニオニズムの形態について解説される。
最後に、本書の半分近いボリュームを以って、日本の労働環境とユニオニズムの歴史の解説と分析、今後への提言が示さ
Posted by ブクログ
労働組合とは何か 木下武男
ヨーロッパ中世から日本の労働組合史までを概観し、日本におけるユニオニズムの発展を希求する本。
労働組合における前史は中世におけるギルドであり、ギルドの相互扶助機能は現代の労働組合におけるそれの源流となる。さらに、ギルド内で親方の数を制限していることも、今でいえば既得権益でこそあるが、ある種の働きすぎない、需給により収入が落ちないための仕組みであった。産業化後のイギリスでは、このようなギルドをベースとした自発的・約縁的結社が友愛団体として労働者の相互扶助機能を取り持つことになる。これは、近代化による身分や社団の破壊への対応策として、新たに都市の中で、約束により結びつ
Posted by ブクログ
労働組合の歴史と意義がよくわかった。
労働組合の本質は、企業を超えて業界横断的に同一の労働環境と賃金水準を設定し、それを下回る条件の企業が必要な人員を雇えなくするという共通規則と集団交渉にあり、年功賃金と企業内の養成制度と終身雇用を特徴とする日本では、企業別の組合しか育たず、真のユニオニズムに基づく産業別組合は発展して来なかったが、終身雇用制度が破綻し、非正規社員が溢れる現状において、遂に、ユニオニズムの覚醒と産業別組合・一般組合の発展が求められているということ。
個人の幸福は、個人の努力と変化する勇気にかかっているという考えに縛られていたが、ジョブ型雇用、同一価値労働同一賃金、産業別組合(ま