ユーザーレビュー 読んでほしい おぎすシグレ 「小説を書いたから読んでみてくれないか」 この一言が言い出せず、右往左往し懊悩する主人公の姿が、じれったくもユーモラスで、時に切ない。 10代は臆面も無く語れた夢や、剝き出しにできた承認欲求を、40代ではむやみに曝け出せないのだ。凄く分かる。 自分よりも他人の都合を優先しがちな主人公にとって、「...続きを読む読んでほしい」と言い出せないこの小説こそが、初めて明確に打ち立てた自分軸なのだろう。 置き忘れても、持て余しても、見失っても、ぶれずに自分を貫く難しさと、一筋の光明を見た気がした。 矢部太郎氏の装画も良い味を出している。 Posted by ブクログ おぎすシグレのレビューをもっと見る