帯には「将軍の食膳もとめ、美食の剣士が東奔西走!」とあるが、実際に将軍のために奔走する話はほぼない。
それよりは、主人公自身に降りかかる災難や、彼が贔屓にしたい店でのトラブル、そして大奥の人たちが絡んだ殺人事件を解決する話になるので、将軍とは?という状況に。
つまり、帯に書いてある話のほんの序章とい
...続きを読むった印象の一冊だった。
主人公にちょっかいを出してくる巨悪はこの話では全然傷ついていないし、お家復興のとっかかりすら微妙という。
あくまで主人公の手の届く範囲での事件の解決話だった。
事件そのものは面白いし、ユニークな登場人物(あくまで味方側に限る)たちが多くて親しみやすく、時代小説を読みなれていない自分でも楽しんで読めるミステリだった。
料理も美味しそうである。
ただあの悪趣味な極楽茶漬けはいらないかな、うん(読んだうえでの判断)
主人公も一回食べれば十分と言っていたけど、それには同意。
敵側が絡んだ食事は総じて悪趣味なんだよな……