日本の二大スーパーヒーローと言えば、ウルトラマンと仮面ライダーだろう。勿論ロボットやその他のアニメなどを見渡せば異を唱えることもできるのだが。
実写として始まったものとしては、この二者で間違いはないと思う。
一時中止はあったものの、現在までシリーズが連綿と続いていることを見ても分かる。
これら
...続きを読むの亜流・傍流はあるので、必ずしも「ウルトラマン」であり「仮面ライダー」である必要はないと思うのだが、やはり名前を継承しないと成り立たないという読みがあるのだろう。
ゴレンジャーを始めとする「戦隊物」という流れもあるが、これは複数の等身大ヒーローという一定のくくりを踏襲するだけで、作品の世界は区切られ全く別ものという設定がされている。
さて、オリジナル「ウルトラ」「ライダー」の二つには手探りで創造し、パターン化していった物語があり、やはりオリジナルのもつ内容の濃さは一味違う。
その一方の雄、ウルトラマンのレギュラーで紅一点の役を担い、女性隊員というポジションを確立させたのが、当時まだ十代であった桜井浩子@フジ隊員。
個人的には「怪奇大作戦」のゲスト出演時の、数年前とは見違えるような色気をまとった漆黒のロングヘアーが印象的だった。
美人か、と言われると・・・当時から「?」であった。
眉が濃く、瞳が大きく、少しバタ臭い印象を受けたものだ。
なにせ、子ども(ボク)ながら色気というものを全く感じさせなかった。
(それが一転、怪奇大作戦のゲストで大化けしてみせてくれたので、余計に印象的だったのだ)
それにしても、科学特捜隊というのも、地球の平和をまかせるにはあまりにも頼りなさすぎる感じだった。ムラマツキャップだけが、なんか孤軍奮闘している感じで・・・
イデ隊員に至っては、途中オノレ(科特隊)のアイデンティティまで見失って悩み始める。
で、この本の著者であるフジアキコ隊員は連絡係なのだが、ほとんど高校野球のマネージャー状態。しかし、少年隊員のホシノ少年のお姉さん的な立場なので、視聴者(ボクたち子ども)が作品世界に抵抗なく感情移入できる触媒としての役割は大きい。
だから、お色気など微塵も必要ないのだ。うん、それでいい。
さて、本書の中には、フランスを始めとするヨーロッパ映画の俳優名が沢山出てくる。ヌーベルバーグの立役者ジーン・セバーグに憧れて、連続番組であるウルトラマンの流れなど無視して髪を切ってしまうエピーソード。
円谷一とデート?で映画の話などをして、タイトル通りまさに青春まっただ中。
日本中が毎週その一挙手一投足に注目している超人気番組であるにも拘わらず、結構ご本人達はそのような感じでもないのだろうか。
撮影の合間もボードレールの詩集などを愛読していたそうで、文章からも文学少女の片鱗が伺える。
高度経済成長のエネルギーを感じさせる、ウルトラマン成長期。女性(少女)の目から書かれているところがまた楽しい一冊。