本作って舞台は戦国時代中期頃かなと思うのだけど、時代に似合わぬアイテムや言葉が飛び出すシーンが多々あって、それが妙に心地いいスパイスとなっているのだけど、この巻の冒頭から始まる数々の展開はスパイスにしてはかなり強烈なもの
狛鬼による超力攻撃、姿を現すもう一つの羽衣にもう一人の天女。黒水騒動を期に本作
...続きを読むはいよいよ歴史の舞台をはみ出し始めたようだね
ただ、そういった超展開が描かれつつも、メインとなるのは九郎とマユ、若夫婦の遣り取りなのだろうけど
これまではマユがその羽衣の技術や知識によりリードを取る場面が多かった印象があり、九郎の素質が描かれたとしてもマユが指示する範疇を飛び出てはいなかった
けれど、第一五回で九郎の商才が披露される場面が。これ、九郎が隠していた爪を露わにした、というより困っているマユの為に事態打開のアイディアを思い付いたという形になっているのが良いね
そりゃ、マユだって赤くなってしまうというものですよ!
帰り着いた市場で始まる新たな問題。これまで影に潜む形で何やら企んできた宗純が遂に表舞台に
天女と似た力を持つ人物が座の権力者と結びつけば厄介な事態になるのは必定。一方で権力者が悪事と共に凝り固まるなら下剋上のチャンスにもなるのか。鼻息荒く企み始めるマユはいつもの事ながら生き生きとしている(笑)
宗純とマユが織りなす丁々発止の攻防、一旦は宗純が上手と成りかけた状況をひっくり返すマユの遣り口が凄まじい
尋常でない相手には尋常でない反撃を。だからって現代の建造物が飛び出てくるとは思わかなかったけどさ(笑) あれ、壊しようもないだろうし、あのまま残ってしまうんだろうなぁ。歴史破壊なんてレベルじゃない(笑)
物語は破天荒さを増し、これからマユと九郎の二人は何を為してくれるのかと期待が膨らんだタイミングで連載終了ですか……
色々と地味に楽しみにしていた作品だけに少し残念…