東千茅の作品一覧

「東千茅」の「人類堆肥化計画」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 人類堆肥化計画
    5.0
    生きることの迫真性を求めて里山へ移り住んだ若き農耕民が構想する、生き物たちとの貪欲で不道徳な共生宣言。一般に禁欲や清貧といった観念に結び付けられている里山を、人間を含む多種たちの賑やかな吹き溜まりとして捉え直し、現代社会において希釈・隠蔽されている「生の悦び」を基底から問い直す。真に切実な問いと、根源を目指す思考とを、地についた生活に支えられた文章で表した、読む人に鮮烈な印象を与える第一著作。
  • 人類堆肥化計画

    Posted by ブクログ

    著者は「不耕起積草農法」を実践する里山生活者だ。その農法とは、「耕さずに草を積む。つまり、最初に作った畝を半永久的に使い、その上に刈り草を幾重にも積んで全域を堆肥化する。いいかえれば、野菜を植える箇所以外にも広く施肥する、ということになる。その点で、この農法はより多くのものを育む仕方である」(pp.65-66)という。彼が育てているのは米(「ほなみちゃん」と呼ぶ)、大豆(「にくぎゅう」と呼ぶ)、名古屋コーチン(「ニック」とよぶ)のほかに、様々な野菜(おそらく)だ。それだけではなく彼の田畑には多様な生物が生息する。彼の生活は多様な生物との戦いだという。里山での耕作と聞くと、牧歌的な自然とともに生

    0
    2021年10月04日
  • 人類堆肥化計画

    Posted by ブクログ

     カテゴリを分類する際に『評論・エッセイ』としたが、文体はエッセイではあったものの、内容は「いかに人間を土へと堕落させ、堆肥と化すか」を実践を交えて語ったものであった。〝堕落〟と言えば坂口安吾の『堕落論』が有名だが、本書は実際に著者自らが里山にて自分を生きながらに堆肥(物理的物質的にではなく、自然に対して著者が負う役割として)と化す様子が描かれており、その点で言えば『堕落論』よりも実践的であると言える。

    0
    2021年08月28日

新規会員限定 70%OFFクーポンプレゼント!