作品一覧

  • 〈賄賂〉のある暮らし :市場経済化後のカザフスタン
    4.2
    1巻2,178円 (税込)
    1991年のソ連崩壊後、ユーラシア大陸の中央に位置するカザフスタンは、独立国家の建設、計画経済から市場経済への移行という、大きな変化を潜り抜けてきた。その過程で、国のありかたや人びとの生活はどのような変化を遂げてきたのだろうか。 豊富な資源をもとに経済発展を続けるカザフスタンは、いまや新興国のなかでも優等生の一国に数えられる。 独立前からカザフ人のあいだにみられる特徴のひとつに「コネ」がある。そして、市場経済移行後に生活のなかに蔓延しているのが、このコネクションを活用して流れる「賄賂」である。経済発展がこれまでの人びとの関係性を変え、社会に大きなひずみが生じているのだ。 本書は、市場経済下、警察、教育、医療、ビジネス活動など、あらゆる側面に浸透している「賄賂」を切り口に現在のカザフスタンをみていく。賄賂は多かれ少なかれ世界中の国々でみられる現象だが、独立後のカザフスタンは、それが深刻な社会問題を生み出している典型的な国のひとつである。 ここから見えてくるのは、人びとの価値観の変容だけでなく、ほんとうの「豊かさ」を支える社会経済システムとはどのようなものかという問題だ。豊かさを追い求めた、この30年の軌跡。
  • 〈賄賂〉のある暮らし :市場経済化後のカザフスタン

    Posted by ブクログ

    日本よりむしろアメリカに近いのではと思った。
    特に医療制度。

    商品という名称がついてないだけで、市場化によって実質的に公的なポスト、公的なサービスが商品化されてる。

    ある事象が商品になるというのは、それがお金によってしかアクセスできないということだから。
    市場で売るために生産されるものが商品という意味では、公的なサービス、ポスト、生産される様々な書類や許認可が実質的に売られるために生み出されているような気がしてくる。

    さらに、値引きのためにはコネが必要とか、サービスを受けてもメチャクチャ成績を良くすることはできないとか。
    コネと賄賂を使ってもそこまではできないというラインはあるらしい、そ

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    2023年10月29日
  • 〈賄賂〉のある暮らし :市場経済化後のカザフスタン

    Posted by ブクログ

    カザフスタンにおける〈賄賂〉の有り様を描いた一冊。
    カッコ付きの〈賄賂〉なのは、金銭の授受だけでなくコネもあるから。「非公式な問題解決」というワードがより正確なのだが、それでは伝わりにくいだろうし。

    生活のありとあらゆる面に〈賄賂〉がある。警察、検察、裁判所、徴兵(忌避)、公職売買、事業を行う上での許認可や手続・規制(衛生)、税関、公共住宅、学校の成績、試験の点数、入学の権利、学位論文、医療……
    それらに対する市民の反応もさまざま。約150人へのインタビューを行ったというが、あっけらかんと〈賄賂〉について話す人もいれば、怒りだす人もいる。
    カザフスタンを主な対象としつつ、近隣の中央アジアでも

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    2023年07月15日
  • 〈賄賂〉のある暮らし :市場経済化後のカザフスタン

    Posted by ブクログ

    カザフスタンの賄賂の実態について膨大なインタビューを通じて明らかにした本書。途中、賄賂が蔓延するエピソードがこれでもかと出てくるので飽きることもあったが、それだけ賄賂がありふれているということだろう。
    ソ連時代はコネを使って便益を受けることはあってもカネが伴うことは少なかったが、独立後の市場経済の浸透に併せて金銭のやり取りが広がった。ソ連時代を知る人は昔の方が良かったと懐かしむ意見も多いとのこと。
    非公式な支払いが伴う場面は、警察、司法、行政許認可、教育、医療と幅広い。一方で常にカネだけで何とかなる訳ではなく、コネがあった方が適切な人物に金銭を渡せたり、その金額を減額されたりする。また、カネを

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    2023年04月30日
  • 〈賄賂〉のある暮らし :市場経済化後のカザフスタン

    Posted by ブクログ

    今までぼんやりとしたイメージしかなかったカザフスタンの様子がくっきりとイメージできるようになった。
    警察や行政の賄賂は予想の範囲だったけど、成績や健康診断書を「手っ取り早く」買ってくるというのはちょっと受け入れ難い価値観だ。

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    2022年10月12日
  • 〈賄賂〉のある暮らし :市場経済化後のカザフスタン

    Posted by ブクログ

    「カネ=賄賂」社会、「コネ」社会、カネよりコネだった旧ソ連時代と比較して、「カネ」が社会生活をしていく上で重要になったカザフスタンの「カネ」「コネ」事情の詳細を紹介した本。

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    2020年03月18日

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